第47章 動き出す過去※
そんな短いが表面は問題ない日々が過ぎていくなか密やかにティアナを狙った策略はかなり打ち合わせていた。
「お前たち兵団はいつだって資金不足に泣いているそうだな。」
確かに壁外調査には多額の資金が必要でその他にも戦えなくなった元兵士たちの面倒もいくらか見てるから資金はいくらあっても足りないのが現状だが、なにも知らない知ろうともこれぽっちも思ってない人には言われたくない。
身内の愚痴は自分が言っても、他人に言われるのは許せない心理だろう。
「そうね。いつだってそう」
「そこでだ。うちのご主人さまが多額の資金提供を申し出たら食つくのは当然だよな。」
ムカつきを抑えて男の言う事に同意する。別に周知のことだし、ティアナの事は別としても資金があるに越したことはない。
「で。有能な補佐官殿は兵団内での発言力はどのくらいなのかな?」
発言力ですって!兵団では上官が黒と言えば白でも黒になるのになにを言ってるのよ。
「んー。その顔じゃ君にはなんの力もないってことかぁ。あー。こんなところまで何度も来たってのに骨折り損もいいとこだな。」
「提案と交渉くらいは出来るわ、でも最終的な決定権は団長にある。」
「裏工作はできないのか。例えば金で転ぶっていう便利な人材」
「あなた、調査兵団を見くびっているわ。裏切るなんて極々まれよ。じゃなきゃ巨人と戦って命をかけるなんてできやしない。」
「君とそういう議論はしたくないな、だって君自体が裏切っているじゃないか。まぁ、金目的じゃないにしても。」
ギリっと奥歯を噛みしめる。ただティアナに、そうあの兵団の腐敗を招く女を排除する。兵団を裏切る所か貢献している。
「こっちで調整するか、話しがきたら君はその提案力と交渉術を駆使してくれれば良いよ。」
「どんな話しなのよ。」
「はは、今のところは内緒だ。でもすぐにわかるさ。じゃ、今日でコソコソ会う恋人とはお別れだ。」
いけ好かない男だけどこの際関係ない。馬鹿にしたことを後悔させてやる。
※※※
それからしばらくたって、シーナのお偉いさんから資金提供を餌にした夜会への招待がきた。兵団に対して、是も非の意見もなく時折少額な寄付をしている、そんな人。
突然の多額援助の申し出に若干訝しむ声もあったが懐事情には勝てるはずがない。