第47章 動き出す過去※
いつもならそんなところに、と文句を言うけど今夜はリヴァイの望む通りにしたかった。赤い花はきれいに首筋についているだろう。詮索する人もいるだろうけど、今はどうでも良かった。
お互いに生まれたままの姿になると私を確認するように体の線を撫でる。その度に生まれる喘ぎはリヴァイも私もどこかにつれていく。胸を愛撫し唇はすこしづつ下へ向かう。両手と足を使って私の両足の自由を奪ってふくらはぎから太ももを何度も往復している。まだ触れられてもいないのに冷たい感覚がある。
じっくりと私を確かめ、中心へ伸びる指がすぐに水音をたてる。
「もう準備できてるのか、先は長いんだぞ」
口角を少しだけ上げる表情は時として皮肉気味に受け止められることが多いのに、今は熱をはらんだ色気を振りまいている。
彼は気づいているだろうか。
リヴァイが嫉妬するように私も嫉妬していることを。
むしろ彼を慕う声が聞こえると唇を噛んで我慢していることを。
「優しくゆっくり味わいたかったんだが。煽るお前が悪い」
煽ったつもりはないのにリヴァイはそう言って耳元で囁いた。
「悪い。我慢できねぇ。」
その言葉が途切れる前にリヴァイの熱は私の中を一気に貫いた。
衝撃に弓なりになる体を片手で支え、もう片手は腰を支えている。
「は、ぁ」リヴァイが喘ぐ。動かずにまるで自分自身を私の中に覚えさせるようにじっとしている。
「う、ん……」私の中で存在を主張している熱源に溢れた声がリヴァイを合図のように、性急に激しく動きはじめた。
「や、ぁ……ちょっ、とはげ」
もう言葉を紡いでも聞こえてないのか、切羽詰まった息遣いと自分の喘ぎ、そして出入りする度にする水音だけがどんな言葉よりも興奮を表している。最初だけの恥ずかしさは早まる動きに翻弄され、ただただ快楽だけが昂らせる。
「リ、ヴァイ……も、う私、」
「もう、少し付き合、え俺もそう持た…ね」
快楽の階段から降りられず、ただお互いを貪る。
もう自分がどんな痴態を晒しているのかさえわからないまま、何度も達しては唇を噛み締める。
「イっってっるのっ!!お、ねが、」
「っ、ティアナ!」
顔を上にあげ、リヴァイが体重はかけずに荒い息で体を預ける。
二人の汗で湿った空気に情事後、特有の匂いが籠もってる。
息が整うと私のそばに横になったリヴァイはしばらく私を抱きしめていた。
