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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第46章 敵の敵は味方



 宣言通り午後からの休暇をもぎ取って来たリヴァイは、いつもとは違い兵団外ではなく、ティアナの私室まで迎えに来ていた。リヴァイの私服はシンプルで一見は調査兵団兵士長には見えない。

 「目立つから外で待ち合わせでよかったんじゃないかな?」
 「馬鹿か、いちいち待ち合わせしてたら余計手間がかかるだろう」

 一理ある。あるけど彼は兵士長で……
一事務官である自分と私服で出かけるとなるときっと噂になる。
事実なんだけど一部の人達しか知らないし大っぴらにするといろいろと問題が生じるような。

「なにボサっとしてる。余計な事は考えずに足を動かせ」

 先に歩いているリヴァイが振り向いて隣に追いつくのを待っている。廊下の端に寄った兵士は一瞬目を丸くしてから敬礼をしている。視線が痛い。
 
 「遅い」

 歩くテンポがずれ、焦れたリヴァイが腕を掴んでズンズンと迷いなく歩いていく。引き摺られるように兵舎から兵団の外に出るとやっと腕が離れた。

 「まずは俺の行きたいところに先に行くぞ」
 
 「それはいいけど、どこに行くの?」

 「着けばわかる」

 首を傾げながらも黙ってリヴァイに着いて行くと不意に手を握られた。絡めた指と手の平から伝わる温もりがゆっくりとティアナの緊張を解していく。
 街を歩いて行くと路地横を入ったところ、民家に見えるドアを叩くと老年の穏やかな人物がなかへと促す。

「お待ちしておりました。」

「受け取りが遅くなって済まない」
 
 いえいえ。と二人だけにわかる会話が進み丸テーブルに座るとすぐに紅茶が出されたが香り高く澄んだ水色は飲む前から美味しいと確信できる。

 最初に応対していた人物は一言告げてから離れ、出された紅茶に口をつけると予想していた通りの美味しさでここがどんなところかはわからないが、この紅茶を出すだけでリヴァイが通うと言われても頷く。

 「ねぇ。そろそろ教えてくれて」

 ティアナが問いかけようとしたのを見計らったように老年紳士が戻ってきた。その手には細長い箱があった。

 「お待たせしました。こちらになります」

 差し出された箱を受け取ったリヴァイは中身を確認して箱を開いたままティアナの前に置いた。
そのなかには深い瑠璃色の石がついたネックレスが大切そうにビロードに包まれていた。

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