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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第44章 新しい仕事と出会いたくない出会い



来客用のテーブルセットのソファを勧められ、一枚ずつ記されている名前、どういった人物か等の情報とともに読み込んでいく。勘でしかないがきっとこの名簿の中に知り合い、もしくは知り合いに近い人物がこの名簿に載っているはず。
いつの間にかテーブルに優しい香りの紅茶が用意されており、ティアナが名簿を確認している間、エルヴィンは通常の職務をこなすようだ。

今のところ知っている貴族は見当たらない。富裕層では大きな商会を仕切る大物が何名か。
自分と関わりのある名はない。言いがかかりを盛大につけたのだろうか。
だけど。あの夜会に興味がないハンジさんが夜会出席と成功を願うのは、巨人捕獲や研究に費用が掛かる為。予算ではいつも却下されている。そして、何故わたしにあれほど出席して欲しがるのか。今回の資金援助に関してはわたしの出席込みなのではないか、と見当をつけたのだけれど。

ペラリ。捲るページは残り少ない。それでも不審な点も何もな・・
自分が因縁をつけたようで気まずくなってきて謝罪の言葉を巡らせていると、馴染みの名前が目に飛び込んできた。





すっかり冷めてしまった紅茶は香りが飛んで渋くなっているが、そのまま飲み干した。
ようやくエルヴィン団長の仕事もキリのいいところになったらしいので、さっそく問いただす。

「クルトとレオナが来るんですね」

「そうだな、喜ぶと思ったんだが?」

「彼らがわたしの近くにいると危険にも近づくとあなたは知ってるはずです。それに」

「彼らが来るのはあくまで仕事だよ。もちろん楽団の顔である二人が主催者に挨拶するのも特に不思議なことじゃない」

エルヴィンはティアナの抗議をさえぎる。

だがその説明だけでは納得できないティアナは続ける。

「では夜会にわたしが出席することにこだわるのはどうしてですか。そうすることで資金援助が多くなるというような言い分はどうしてですか」

いたずらがバレたようなエルヴィンは悪びれることなく肩をすくめた。

「君は気に食わないだろうが出資者からの要望だ。こちらとしては簡単な要求かつ危険度も低い。それだけだ」

自分は餌でも構わない。だけど彼らに危険が及ぶかもしれない。それだけは許せない。目の前の男に怒りを覚え、握る拳がブルブルと震える。その拳に視線をやりながらエルヴィンは立ち上がった。



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