• テキストサイズ

君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第44章 新しい仕事と出会いたくない出会い



コンコン。団長室の重厚な扉を2度ノックし名乗ると落ち着いた低音の入室を許可する。

調査兵団内で一番の広さを持つ執務室は来客用のテーブルセットも質素な作りだが品があり、手入れもきちんとされている。
それ以外は部屋の主を表すように背の高い本棚が部屋の両側に備え付けられている。

「やあ、ティアナ。事務官として馴染んできていると報告は受けているが、この時間に来ると言うことは夜会についてかな」

団長に対して無礼ではあるが執務机の前まで無言で近づくとエルヴィンは面白いものを見たような顔で組んだ両手にあごをのせてティアナを見ている。そして執務机の前に立ち一礼をした。

「今回の夜会についていくつか確認したいことがあります」

予想していた通りなのか、エルヴィンは小首をかしげ先を促す。

「頂いた封筒には中堅商会の夜会でわたしが警戒すべき人物はいないとありましたが、しかし今回の資金援助は中堅商会には荷が重いのではないのでしょうか?」

真向から所属する組織のトップに切り込むティアナは言葉は荒くないがどこか口調はとげとげしい。

「どうしてそう思うのかな」

飄々とした態度は崩さずにエルヴィンは質問に質問で返す。
それもティアナを苛つかせる。

「今回の資金援助ですがいつもの壁外調査の為ではなく、巨人の捕獲、及びその実験についてと推測しました。ならばいくら物好きとしても限られるでしょうし、また壁内に巨人を入れての実験です。中央はおろか並みの人物ではメリットを見いだせないでしょう」

「ハンジかな?」

「直接的なことは何も言われてません。どうしても夜会へ出席してほしいと説得してきただけです」

「ほお」

エルヴィンはにこやかな顔でティアナを見ている。まるで成長した部下に満足しているというような目だ。

「今回の夜会で兵団が得るメリット、そして出席者名簿は見せてください。それで出席を決めます」

「今回は大口スポンサーが増える予定だ。それと名簿を見ても君も問題ないと判断すると思うが」

じりじりとする背筋を伸ばしてまっすぐにエルヴィンを見る。

「わかった。名簿を見せれば君は納得して夜会への出席の可能性は高くなる訳だな、なら機密でもないここで見ていくといい」

机の引き出しから無造作に招待状と名簿を取り出した。

/ 463ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp