第43章 目の前にある過去
会議室はその特性上、内部での会話は外に漏れないように通常よりドアは分厚い。
リヴァイはティアナをその場所に押し込むと詰問した。
「エルヴィンとなに話した?」
「へ?リヴァイにも話したように退団はしないことと、今後の所属についてはえり好みするつもりはないってことを伝えたよ。でも受け入れてくれそうなのは事務って話。辞令発令は来週からだから、その間に本部に引っ越ししなさいという話で終わったけど」
腕を組み真剣に聞いていたリヴァイは若干雰囲気が変わり、その他は?と聞いてくるけど、今話したことがぜんぶ・・・あれ?そういえばわたしのあたらしい部屋…エルヴィン団長はリヴァイに聞けって?
「あのわたしの部屋は移動だって事務官はこの棟にというのは言ってたけど後はリヴァイに聞けって」
「お前の新しい部屋は俺の私室の隣だ。いつでも引っ越せるように掃除もきっちりしてある。後はお前自身とお前の荷物だけだ」
「リ、ヴァイの隣?」
なんだ、不服かと横目でに睨んでくるけど、無理というか職権乱用ではないだろうか。だってリヴァイのいるフロアは幹部が使うフロアで事務官は違うそうだし。いくら幹部と親しくしているとはいえ、親しくしているからこそ同じフロアはありえない。
「いくら何でも兵士長のリヴァイの隣はいくらなんでもおかしいし、事務官の私室はフロアが違うって聞いてる」
フンっと鼻で笑ってリヴァイは問題ないという。
どう考えても問題しかない。
「エルヴィンも許可した、他の奴らがお前に何か言うなら、俺の名前を出せ。それがいやなら朝礼ででも俺から全員に言ってやる」
唖然としているわたしと反対に、そのほうが面倒がなくていい。と自分一人で頷いている。
「俺は女子棟に入れないからな、明後日にでもニファとナナバにお前の荷づくりを頼む」
「朝礼で言うのもだめだしニファ達に迷惑かけるのはやだ」
「やだ、じゃねえよ。俺の隣はいやか?」
「いやじゃないけど、ひいきじゃない?!」
「だからどうした。お前がいやってんなら考えるが、いやじゃないんなら俺のいう通りにしとけ」
本音だけでいうならリヴァイの隣は嬉しいので強く反論できない。そしてリヴァイが納得する理由ももっていない。
観念したわたしの様子にリヴァイは得意げで「決まりだな」とほんの少し意地悪な笑みを湛えていた。
