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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第43章 目の前にある過去



ティアナの病室に行くと今日のリハビリも終えたのかベッドの上で本を読んでいる。まさかハンジの馬鹿な本じゃねぇだろうな。と危惧していたが俺が持ってきたこっぱずかしい本を読んでいる。それはそれで複雑な気分だ。

「あ、リヴァイ」

俺に気づいて読みかけの本を片付け笑顔で迎えてくれる。

「お疲れ様」

「疲れる程でもねぇよ」

それを聞いて「素直じゃないなあ」と笑顔のまま答える。
怪我で兵士として戦えないと知った時から比べるとだいぶ落ちついて現状を受け入れているティアナにホっとしている自分がいる。過去の話しをした時、不安定になってはいたが思ったよりも無理はしていないようだ。
ただこいつは基本自分の弱音を見せたがらない。だからこそ、些細な変化も見逃すわけにはいかない。

「今日もハーミットから小言はあったか?」

「もう、追い出したくて仕方ないって感じかな。まあいつまでもここに陣取っている訳にはいかないからね。そろそろ自分の部屋に戻らなきゃね、その前に団長に今後を話さなきゃ」

「そうか。なら早速だが明日にでもエルヴィンのとこ行ってお前の覚悟を話せ」

「うん、そうする」

「その時は俺も付き添う」

「子供じゃないんだから」

俺が嫌なんだ。エルヴィンの気持ちを知ってから、ティアナをあいつと二人にするのは大人げないとは思うがそれでもいやなんだ。

「大丈夫、今後について話したら、そのままここの片付けして女子棟に戻って掃除するから」

だいぶ留守にしていたしと危機感もないティアナに少しだけ苛立つ。

「わかった、だがエルヴィンのところには俺はついて行く」

「頑固だなあ。でもダメ。これはわたしの問題だから」

お前のほうこそ頑固だろうが。口を出しそうになるが飲み込んだ。




コンコン

「エルヴィン団長、ティアナ・ディーツです」

「入れ」

相変わらずデスクには書類の山があり、時間をとってしまうのが申し訳ない。

「ちょうど、休憩でもと思っていたんだ、そこに座りなさい」

たぶん調査兵団の中で一番座り心地のいいソファを勧められたがせめてお茶のくらいはと思ったのに、エルヴィン団長は自然にお茶の用意を済ませている。

「すみません。ありがたく頂きます」

「雑談でもと思ったんだが時間が押していてね、君の決意を聞きたい」

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