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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第43章 目の前にある過去



リヴァイがシャワーから戻るとティアナはコップを差し出した。礼を言って飲み干し、二人では狭いベッドにティアナを引きずり込む。
抵抗なくリヴァイの横にいるティアナの体を守るように引き寄せるとお互いの体温を感じられる。

まだ照れがあるのか自分の胸に顔を埋めるティアナに愛しさを感じながら、もう彼女が一人で苦しむことがないよう一緒に背負っていくと更に腕の中に閉じ込めた。

「・・これからは俺がいる」

「え?」

「一人で突っ走るな、俺を頼れ。俺から離れるな」

「うん、ありがとう」

「辛かったな、これからは俺がいる」

「うん・・うん」

涙声のティアナの顔を見つめ流れる涙が不謹慎かもしれないが綺麗だとリヴァイは思った。



泣き疲れたのかティアナは眠っている。
寝顔が安らかでいつかのようにもし悪夢が彼女を襲ったとしても抱きしめてやれる。
寝ているティアナの髪を撫でながら、リヴァイも温もりを感じつつ目を閉じた。





夜明け前に自然と目が覚めたリヴァイは深い眠りの中にいるティアナに安心した。
普段なら目が覚めたら二度寝はしないし、もう眠気はない。
過去を掘り返して悪夢を見るかと心配したが、それもなく起床時刻前までリヴァイはティアナを抱きしめていた。



う、ん。そろそろ起きなきゃ。
目をうっすら開くとそこには服の上からでもわかる逞しい胸板があり、枕にしては固い腕、腰は抱き込むように腕が回されている。

「おはよう」

上から降ってきた声は優しくて思わず顔を上げると声と同じくらい優しい瞳のリヴァイと目があった。
急に恥ずかしくなって掠れた声でおはようと挨拶すると目のやり場にもこの体勢にも困ってリヴァイから離れようとするとリヴァイはそれを許さない。

「あの、もう朝だからそろそろ戻らないと」

「おい。冷てぇな。もう少しくらい、いいだろ?」

ずるい。そんな目でそんな声されると離れられないのを知っているくせに。

クツクツと笑うリヴァイをキッとにらむと「これくらいで怒るな」と離れる。リヴァイがベッドから起き上がるとシーツから温もりが逃げていく。
妙に寂しいなんて矛盾してる。とティアナはどんどん欲張りになっていく自分を笑った。

話すまでは怖くて仕方なかったのに、話してしまうとすっきりした気分だ。


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