第8章 壁外調査
リヴァイは目標に向かって馬の速度をあげるが、地面の泥濘で思ったように速度を上げられない。
その時、赤黒く染まった地面と人の残骸が馬を止めた。
「き、きこ…しゅ…」足を無くした兵が指さし、息絶えた。
指さしたのはリヴァイが走ってきた方向……
(まさか!すれ違ったのか!?)
ぬかるみのなかには4~5体程の大きな足跡が…
(クソっ!)
馬を更に追い立て、全速力で来た道を戻る。
間に合え、間に合え!!
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それは、リヴァイが離れてから十数分。
霧の中から、巨人の手が出てきた。
ニタニタとしたおぞましい巨人は5体程か。
すでに口元を血で染め、飽きもせずに取って食おうとする。
1体の巨人に向かったサイラスが呆気なく捕まった。
迎え撃とうと馬を旋回させ、るはずだったが、落馬してアンカーが作動しない。
イザベルが、アンカーを飛ばし巨人の体に取り付く。
うなじを狙える距離だ。巨人の背中を足がかりにしようと力を込めたが雨で足を滑らし体勢を崩してしまった。その時、側にいた別の巨人がイザベルに勢いよく口をあけ………赤とともにボトリと落ちた。
(クソっ!嫌な予感はあたっちまうのかよ!)
「クソっ、動けよ!」立体機動装置を叩いて、アンカーを射出させようとするも、全く反応はない
薄気味悪い顔の巨人が手を伸ばしてくる。
次の獲物に向けてニタニタと寄ってくる。
ちくしょう、ふざけんな!
ファーランを狙ってた巨人から蒸気が吹き出る。
「部下を置いて逃げれっかよ!」フラゴンが叫んでいる。
「後ろ!一体いる!!!」
巨人の手に落ちたフラゴンはファーランに「逃げろ」
と自分は口の中にいるのに「にげろ…」最後の言葉を残して逝った。
ブレードで切りつけ続け距離をとるが、どうにもならない。
(……イザベル、すまねえ。……ティアナの歌もう一度聞きたかったな……)