第8章 壁外調査
「うわっ!何だよっ!これ!なんにも見えねぇぞ!!」
「煙弾も見えない。まずい音響弾で他の班員と距離を縮めて合流するしかない。」
「…………」
「リヴァイ?」
「この雨と霧じゃ誰がいなくなっても不思議じゃない。」
「おい!リヴァイ!今は生き残る事だけ考えろ!」
「奴が文書ごと食われたら、どうする。」
「お前だって危ねぇんだぞ!それに3人も離れるのは得策じゃない、ここは生きて帰るのを優先するんだ!」
「俺1人でいく。」
「リヴァイ!落ち着け!」
「俺1人とフラゴン達4人とどちらが生存率が高いと思うか。」
イザベルは兄貴分の2人のこれまでにない諍いと巨人、天気と不安で足元から寒気が上がってくる。
「くどい!俺ならやれる!!」
「それは…命令か、リヴァイ」
「命令…?どうしてそうなる。おれは…」
「わかった。お前を信じよう。ここぞという時に決めてくるからな。」信頼を瞳に宿したファーラン
「アニキー!地上の居住権、頼んだぜっ!」手を振りながらリヴァイに手を大きく振るイザベル
遠ざかっていく姿に後ろ髪を引かれながらも、陣形通りなら左斜め前を突っ切ればエルヴィンにたどり着く
_________________
フラゴンが打った音響弾で凡その位置を把握したファーランとイザベルは無事合流した。
フラゴンはリヴァイが見えないのを不審に思った。
「リヴァイはどうした?」
「この霧ではぐれてしまって」
「音響弾は聞こえてるはずだ、まずは離れるな」
______________