第42章 選択する勇気
目につかぬよう執務室に置いていたティアナの小説を手にティアナの病室へ行くと明かりはついており、きっとエルヴィンからの提案を受け入れ怪我も早く治して復帰したいと願っているだろう。
そういえば。怪我が完治したら、ティアナの部屋を自分の隣にするとエルヴィンに言い忘れていた。明日にでも手配しておこう。今回の件は口には決して出さないが感謝している。
ドアを開けると薄いカーテンの向こうにティアナの影がある。そっと開くと背もたれに体を預けたティアナの目は真剣に何もない前を見つめ俺が来たことにも気づいていない。
「よお、遅くなった。所望の品を持ってきたが。その調子じゃいらなかったか?」
声をかけるとティアナはハッとして戻ってきた。
「気づかなくてごめんなさい。考え事していたの。小説はいるから」笑顔でそういう彼女に苦々しく思えた。エルヴィンの提案とともにエルヴィンを思いだしているだろうから。
ベッドの脇に座って小説を置く。ティアナはタイトルを見てリヴァイが選んだの?と小さな笑顔で聞いてきた。タイトル、表紙を見れば恋愛小説であるのはすぐにわかるもので選んでる時、気恥ずかしかった。
「そうだが笑うことないだろう。失礼な女だな」
「忙しいのにありがとう。嬉しい」
一冊ずつタイトルと表紙を見てはニヤけてるのは勘違いか?
「これでお昼は退屈しないなぁ。どんな王子様が出てくるか楽しみ」
「王子よりも俺が良いに決まってるだろうが」
フフっと笑いながら「現実じゃないんだから」
フォローをすかさずいれるティアナにムキになった自分がガキみたいで体が熱い。
「なあ。エルヴィンから今後について聞いただろ」
「うん。リヴァイも知ってるんだね」
「どんな形であれ残れるなら頑張りたい。部署とか決めてないし、受け入れるかはその部署が決めることだけどね」
凛とした空気はティアナが醸し出されるものだ。
「そうか。いいか、どの部署であれ必要な部署に変わりはねえ。お前の選ぶ道がどうであれ俺は傍にいる。忘れんな」
柔和な笑顔で俺を見つめるティアナが愛しい。
「もう寝ろ」
うん。あ、ハーミット班長に告げ口したよね?!
その口を黙らせる為にふさいだ。