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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第42章 選択する勇気



午前の訓練は基礎を重点に行った。
応用も連携も大切だが基礎がしっかりしていないとイザという時に足元をすくわれる。

一緒に訓練するコイツらはまだまだ伸び代がある。

自分で言うのも変だが、通常訓練よりも難易度は高いはずだ。それでも班員は疲れを背負いながらも食いついてくる。
例え壁外で一人になったとしても生き残れるよう、指導も自然と熱がはいる。

しばらく訓練を続け疲労のピークで、若干注意散漫になってきた頃合に一旦休憩を入れる。

木陰に座って用意していた水を飲む。俺としては訓練に費やしたいが、こいつらが持たないだろう。
頭を木に預けそろそろ午後の鐘が鳴る時間帯だな、切り上げるか。

立ち上がった時にペトラ達がやってきた。


「兵長、ディーツさんへご指定の品はお渡ししました」

助かる。と労って今日の訓練は以上と伝え、訓練についての個々の改善点等についてはあとで知らせる。とだけ伝えて解散した。

一度体を清めてから、ペトラが言っていた小説を探す。娯楽の少ない兵団の図書館は結構な蔵書がある。
古い本の香りのする書架を回り、タイトル名を頼りに見つけて借り出す。


午後は執務室で、今日の訓練についての一人一人の評価を記していく。

良かった点、改善点、総合的な評価。

口頭で伝えてもいいが、連携訓練ではなく基礎訓練の為、個別に知らせたかったので紙に書いて渡すことにした。


その間も相変わらずどこから来るのか決裁待ち、確認待ちの書類がノックと共にやってくる。

「あら、これは期限過ぎてますね」

誰と言わずとも期限過ぎ書類を置いてくのは大抵ハンジだ。

あいつの中では研究、実験が最優先で提出すべき書類は後回しだ。

心の中で悪態をついて、期限切れの書類から目を通していく。
訂正点を洗い出してから、再提出分として机の決裁分、未決裁分とは別にする。

「決裁できない点がありましたか?」

「訂正箇所がある、再提出だ」

「では、ハンジ分隊長の元に行ってその場で訂正してもらいましょう。この書類は私が持って行って回収しますね」

頼む。と言うとニコリと笑顔で「では、すぐに戻ってきます」
とハンジの元へ行った。

その間に目を通し手を動かし書類を片付けていく。

今日の分があと三分の一程度になったころにやっとハンジから解放されたらしいエリーが戻ってきた。

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