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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第42章 選択する勇気



ピークの時間なのか、食堂は人がいっぱいだ。
そのなかからペトラを目で探し、班の仲間と食事をしているのを見つけた。

トレイをもって、ペトラ達のテーブルに行くと気づいた班の四人はガタッと立ち上がって敬礼をしようとするのを手で合図して止めてから、同席してもいいか訊ねる。

「こちらへどうぞ!」

何故かオルオが自分の席を譲ってくれるのだが、そう気にしなくていい。と断りを入れると萎れた。
ペトラからなにか小言のような言葉が聞こえてきたが、いつもの事でさほど気にはならない。

エルドとグンタは上座をあけ自然にそこへ俺は座った。

「おはようございます、兵長。こちらでの食事は珍しいですね」

「たまにはお前らとも食事を共に摂りたいしな」

オルオが涙をこぼしそうな顔で兵長…と何か感極まっているらしいが、気を使わせたいわけではない。

できるだけ、自然に食事をしようとスープに固いパンを浸して口に運んでいると班のみんなはニコニコと嬉しそうだ。
これからはできるだけ、班の連中と食事をするように心がけよう。

俺自身が様々な資料や実績をもとに選んだ班だが、相性も良く自慢の班だ。
質素な食事はすぐに食べ終わり、ペトラとオルオが気を使って食後の紅茶の用意に行った。

本当ならもっとゆっくり訓練以外の様子も聞きたいが朝食の後はそれぞれの訓練準備などもあり、あまり時間の余裕はない。

ペトラ達が淹れてくれた紅茶を飲みながら、今度班員で飲みにでも行こう。と誘うとオルオだけではなく、全員が喜んで「いい店を見つけておきますね」とエルドが年長者らしく答えるとオルオとペトラはすでにいくつかの店をピックアップしているようだ。

朝食時間も終わりに近く、食べ終えた俺の分のトレイもグンタが片付けます、と言う言葉に甘えた。

男三人が席を外した隙にペトラに個人的なことで申し訳ないが、と断りを入れてティアナの部屋から、五線譜紙とペンなどをとってきて欲しいと依頼すると気持ちいいくらいに意気込んで「了解しました。その他必要なものはありませんか?」と聞かれ、普段よりも小声かつ、周りを気にしながら、恋愛小説で人気のタイトルは知っているか、出来ればハッピーエンドがいい。と切り出すと鳩が豆鉄砲をくらったような表情だったが、すぐに切り替えて幾つかのタイトルを勧めてくれた。

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