第41章 壁外調査と捕獲作戦
会議を含めたティアナへの話し合いが終わる頃には茜色の夕日が窓から差し込んでくる夕方近くになっていた。
話しの目途がついたことで解散したが俺の内側は明日のことでいっぱいだ。
執務室へ戻ると出た時と同じようにエリーは仕事をしており、任せきりな上に定時近いこともあり、仕事を切り上げさせて紅茶を振舞った。
「とてもおいしいです、淹れる人でこうも変わるのは不思議ですね。今度コツを教えてください」
「淹れ方は同じだと思うぞ、いつもの紅茶も悪くないしな」
「そういってもらえると自信が湧きます」
会話自体ほとんど業務以外はしなかったので今日は業務以外の他愛ない会話は多いほうだ。
「そういえば、会議はどうでした?」
世間話しから仕事の話しに戻ったが問題ない程度で話していると定時を知らせる鐘が鳴った。
「あ、もう定時ですか。時間が過ぎるのはあっという間ですね」
「そうだな、もう上がっていいぞ」
「片付けてからにします」
「いい。いつも世話になってばかりだからな、そのまま置いておけ」
自分が片付けますと再度エリーは言うが、俺が片付けるからいいと断ると、「ありがとうございます、ではお先に失礼致します」とバッグを肩に掛け礼をして執務室から出ていった。
きちんと整理された書類は後は俺が目を通して、サインをするだけになっている。
夜会後の恋愛沙汰を除けば文句のつけようもない補佐官で俺よりも書類に埋もれそうなエルヴィンにこそ必要な人材ではないか?と思う。
様子を見てエルヴィンにこそ補佐官は必要だと言っておこうと最後の書類にサインを入れながらぼんやり思っていた。
仕事が終わって首をコキっと鳴らし夕食まで時間はあるし、ハンジがティアナのところに顔出しに行くと言っていたので掃除用具を取り出した。
最近は納得いくまでの掃除ができていない。
一日でもサボればチリ、埃は溜まる。
サッと掃除の正装を整え、埃をはたくことから始めた。
「お~い!入るよー」
丁度掃除もひと段落つきそうなところでハンジがドアを開けた。
「待て!そこからは一歩も入るな!」
俺の姿を見て、あぁ、そう。と珍しく入りかけてた足を後ろにひっこめ部屋のドアの前に立っている。
「用は何だ?」間違っても部屋を汚されないようにハンジからは目を離さない。
早く用件を済ませて立ち去って欲しい
