第41章 壁外調査と捕獲作戦
「我々としてはティアナが残る際は選択肢をできるだけ考えておく。可能性は薄いが退団希望なら別途考えなければならない。だからできるだけ早くティアナの今後の希望を聞いておきたい」
何かが引っかかる。あれほどティアナを前線には出したがらず、退団を迫っていたのに180度も変わる提案を勧めてくるのはなんだ。
「それで俺にティアナにその話をしてどうしたいかを聞いてこいってことか?」
「いや、前もって言っておかないと後で厄介と思っただけさ。団長として私が話したほうがいいとは思うが」
違和感を払うために問い詰めようと思うが最前提はティアナの意思次第だが退団よりも兵団に在籍する方向で考え、話している。俺にとってもこの状況は悪くない。
周りを見るとハンジもミケもナナバも賛成のようだ。
ここで話していても埒はあかない。
どのみちティアナの意思がわからないことにはどうしようもない。
「私からティアナに話して今後について具体的にしたい」
「俺も同席する」
「遠慮してくれ。直接話したい」
ティアナと二人にしろ、と?俺がそれを許すと思っているのか。
「俺がいちゃ不都合でもあるのか」
皮肉を込めエルヴィンを見据える。
こいつもティアナに惚れているはずだ、それをわざわざ二人きりにする阿呆がどこにいる。
「ああ、不都合だな。リヴァイ、お前がいることでティアナの意思に影響がでるのはよくない。きちんと彼女がどうしたいかを尊重したいからな」
正論過ぎる正論。
「ティアナの視界に入らなければ問題ないな」
エルヴィン含めこの団長室にいる全員が怪訝そうにしている。
「お前がティアナと話している間、俺はドアの向こうで待機する」
「はぁ?!なんで?意味わかんないんだけど?」
「てめえには関係ないだろうがクソメガネ」
「フン」
「あ~心狭いよね」
ハンジを筆頭にそれぞれ勝手なことを言っているが関係ない。
「リヴァイ、お前のその独占欲もそこまでいくとティアナもかわいそうになってくるな」
うるせえよ。と返すとエルヴィンは「わかった、だが邪魔はするなよ」と念を押してから、ティアナの元には明日の夕方ごろに行って話すことになった。