第41章 壁外調査と捕獲作戦
エルヴィンの指示通り残ったのは分隊長クラス、補佐クラスと言ってもいい。但し巨人研究で多忙なモブリットはいない。
このメンツで話すということは大体他言無用とか、そんな話だ。
まずエルヴィンが話し始めた。
「ティアナについてだが」
この場で急に出てきた名前に気が張る。
周りを見渡すとどんな話をしたのかは知らないが真剣な顔だ。
「ここに居るものは昨夜の件は知っている。完治までの期間が延びたことも知っている」
「何が言いたい、回りくどい」
エルヴィンの今まで主張してきたことに有利な状況に身構える。
「リヴァイ、そう気を立てるな。」
「とっとと続きを話せ。全員暇なわけねぇだろ」
「そうだな、では簡潔に言うがティアナはこれからも兵団に残りたいと思っているかどうかを知っているか?」
「そういう話をする段階じゃねえ。まずは回復してから考えてもいいだろうが。昨日、今日で答えを出せってのか」
「いや、少なくとも”今後どうしたいか”を考えておくのは、彼女のこれからの生活に影響を与える」
「それだとしても性急過ぎる。休む間も与えないってのか」
気色ばむリヴァイにミケが温和な態度で話しかける。
「見当違いだ、退団ではなく、もし今後もティアナが兵団に残る時の話しだ」
「どういうことだ」
「つまりだ、私としては退団を押すがティアナが兵団に残りたいなら、戦えない代わりに別のことをしてもらう」
エルヴィンが話を引き取る。
「もちろん、戦えないというのは兵士としては致命的だが、後方支援として兵団に残る選択肢もある。ということだ」
「例えば、どんな仕事だ、言っとくが夜会やらの出席だけってなら断るぞ」
「専属なんて提案をしたら彼女は烈火の如く怒るだろうね」
苦笑してエルヴィンは続ける。
「そうだな。事務官という話は以前からあったし、その他にも学ぶことは多いが医療班か、第三医療隊もある、あとは技巧班か」
「ちょっと待って!私の研究員って話も出してよ」
ハンジが大声を出すが、特に誰も反応しない。
「エルヴィン、話した時よりも選択肢が増えているね」
ナナバがそういうと「検討するといろいろな選択肢があると気づいただけさ」
和やかな表情でエルヴィンはこれまでと違った選択を用意しているようだ。