第41章 壁外調査と捕獲作戦
会議時間5分前にドアの向こうから煩い声が聞こえてきた。
この声はハンジだ。
エリーがドアを開けるとハンジは「おっ疲れ~」と声をかけ、俺には、会議時間だから行くよ。といつもは遅刻常習犯なのに珍しく会議を忘れてはいないようだ。捕獲した巨人に夢中になっていたはずだが。
とにかく、会議も早めに終わるようにして、なるべく今まで負担ばかりかけている部下にちゃんとした勤務状況に戻してやりたい。
ジャケットを取ってエリーに会議が終わり次第仕事に戻ると言い残してハンジとともに出た。
「ふ~ん、仕事押し付けてた部下と仲直りしたんだね」
時折深い意味があるのかないのか、わからないがハンジは含みを持たせる言い方をする。
大抵、俺の勘に触る言い方だ。
「部下と喧嘩もなにもねぇよ、ただ仕事押し付けてたのは本当のことだ、負担ばかりかけらんねぇと思っただけだ」
「そっか、成長したねぇ~リヴァイ!」
揶揄いにきたハンジの脛を蹴ってやると大げさに「いっってぇー!」と騒いでいる。先にすすむと会議室のドアは開かれており既にエルヴィン、ミケ、ナナバは着席している。
遅刻ではないが一番遅いのはいつも通りハンジだ。
出席者が揃うとドアは閉じられる。幹部が利用する部屋、会議室はそれなりに分厚いドアで外からは話している内容は聞こえない。
「じゃ、全員集まったことだ。始めよう」
エルヴィンが最初に言うと何故か、参加者の視線がチラリと俺に向く。俺の仕事放棄に関してのことだろうか。
それなら処罰は受けるし受けたい。
「前回捕獲した巨人についての研究内容はどうなっている」
「ん~。それがさ新しいことはまだわかってないんだ。意思の有無を重点的にしているんだけど、まだまだだ」
会議内容は主に捕獲した巨人に関することでこれからの研究予定、協力して欲しい班への要請。
死亡した兵士数、作戦上のどのポイントで被害が多かったか?
残りは予算、班の再編、訓練内容の確認。
代り映えしない話もあるとはいえ、これからの壁外調査時に必要な会議である事に変わりはない。
ミケと俺の班は訓練をメインにし、ハンジは研究に。
また、班の再編で新たに班長になる兵士をこれから任命すること。
今回の会議はそろそろ終わるはずだ。
エルヴィンがハンジ、ミケ、ナナバと俺に残るように言って会議は終了した。
