第41章 壁外調査と捕獲作戦
淡い朝からはっきりとした朝になると、医務室の向こうも兵舎内も動き出す。
それを肌で感じながらリヴァイは静かに眠りについているティアナを見守っていた。
結局、何が最善なのかの答えは出なかったが、あのまま無茶を見逃すわけにはいかなかった。
「おはようございます。兵士長」
ティアナの意識が戻る間ほとんどをここで過ごしていたこともあり、医務室付きの兵士も特に驚く様子はない。
「ああ、おはよう」
「ハーミット班長からは引き継ぎ済で、後ほど班長も回診にいらっしゃる予定です。今のうちに朝食でも摂ってきてください」
兵団はどの部署であれ、男性の比率は多い。
その為、男性の看護師が多いのは当たり前のことだ。
しかしハーミットが気を利かせたのか、ティアナにはずっと女性看護師がついている。
てきぱきと朝の用意等をし始め、リヴァイは邪魔とばかりに半ば追い出させれてしまった。
病室からでて、シャワーを浴び身を清める。
ピシッとした兵団服に着替えてからエルヴィンの執務室へ昨夜の報告に向かった。
「ノックをして欲しいんだが。そろそろ、私が諦めないといけないのかな」
笑顔でそういうが、目は決して笑っていない。
だが自分と奇行種はこれからも変わらないだろう。
ミケの匂いを嗅ぐ癖と同じと思ってくれればいい。
「珍しいな、言い返さないのか?」
「そうだな、気が向いたら行儀よくするか」
片手に額を乗せ、わざとらしいため息を吐くがポーズに過ぎない。
「エルヴィン」
俺の声音に違和感を感じたのか、エルヴィンの表情が一変し、その次を待っている。
「昨夜、ティアナが無茶をした」
驚くかとも思ったが、動揺一つなく団長の目で問いただす。
「どういうことだ?」
「俺が目を離した間に立体起動をしようとした。俺は見つけて一度は止めたが結局はあいつを煽って止めなかった。そのせいで怪我が悪化した」
「確か、もう少しで杖なしで動けるはずだったな。今はどうなんだ」
「約2か月。杖なしになるのはもっと先らしいが。ハーミットは含みをもった言い方をしていた。言葉通り受け取っていいのか、俺にはわからない」
「わかった。リヴァイ、ティアナの看病を続けてくれ。後でハンジ達と話したことも伝えておきたい」
「今じゃ駄目なのか」
「ああ」
「了解だ」