第41章 壁外調査と捕獲作戦
「片付ける、からリヴァイは自分の部屋に戻りなよ」
「歩けもしねえのに片付けてベッドに入れるのか、その前に汚ねえ格好のままでいるつもりか」
冷たいリヴァイの瞳より何より今言われたことを何一つできない自分に負の感情が巻き上がる。
土の冷たさ、夜の深さにより惨めになる。
でも一番は何ひとつできない自分だ。意識が虚ろになって…
「ティアナ!」
「…」
「ティアナ!!」
「……」
パンっと響く音とジンジンと頬に痛みが走る。
「俺をみろ!」
クソっ!と言ってリヴァイはわたしを抱えあげる。
夜の冷気がリヴァイの早足で更に冷たく感じた。
連れてこられたのはリヴァイの部屋ですぐに服を脱がされた。タオルを桶に入ったぬるま湯につけ、へたり込むわたしの顔や体を拭っていく。
それなりにきれいになったのか大きめのシャツをパサリと羽織らせ、抱きかかえてソファに優しく降ろす。
なすがままのわたしを見つめて頬をさする。
「痛むか」
フルフルと首を振る。それでもリヴァイはさするのを止めない。
「痛むだろ」
「………痛い」
自分の内側から”なにか”が薄れていく。
ホッとした顔でリヴァイは抱きしめて背中を心地よく擦る。
リヴァイの息遣いが感じられる。リヴァイもわたしの息遣いを感じているんだろうか。
「傍にいる。俺はお前の傍に居る。だから勝手に独りになるな」
「ごめん、なさい」
「まったくだ、どこへ行くかと思ったら・・怪我を見せてみろ」
怪我は無理をしたせいで痛みは増していてみるからに腫れてきている。
「待ってろ、ハーミットを呼んでくる」
「いや、診療時間過ぎているし・」
「構わん、何なら医務室まで運んでやる、どっちがいい」
俵担ぎされる自分を想像を一瞬の脳裏を過ぎった。
しかし、業務時間外の診療には抵抗がある。
「遠慮するなら俺が決める」
そういったかと思えはすでに俵抱きされ病室へと今度は連れていかれた。
「はぁ?立体起動しようとしただぁ?」
足の具合を見てるハーミット班長は呆れたような、怒っているような声で聞いてきた。
「せっかく良くなってきたのにぶり返してるぞ。なんて患者だ」
「説教はまたにしてくれ」
「あぁ、あぁ。説教する人間は多そうだしな」