第8章 壁外調査
夜が深まり松明の灯りも少なくなってきた。
リヴァイ達は他の兵士達に聞こえない声で明日からの振舞いについて話していた。
「…ここまで探してもねぇってことは、アイツが持ってる可能性が高いな…」
「陣形じゃ、目立ち過ぎてなかなか近づけない。ここは壁内に戻るの最優先して次の機会を待つしかないな。」
「俺、アイツらの邪魔はしたくねえ。」
イザベルがポソッと呟く。
「ティアナも他の奴らの心臓がとか、わかんねぇけど俺たちが地上に出たいって気持ちと同じ気がする。アイツらには壁外で暴れて欲しいって思う……」
リヴァイに何故かイザベルの言葉が胸に残る。
ファーランは小さくため息をつく。
「お前たちが兵士になるって言い出す前に終わりたいね。」
_________________
ティアナは女性陣と一緒にいた。
そこでは女子ならの、話に花が咲き特に新兵について盛り上がっていた。
(もう、女性陣の噂になってるし。ファーランもリヴァイさんも綺麗な顔立ちだし、イザベルも可愛いし。なんだろ、この訳わかんない気持ち。)
「ねぇ、ねぇってば!」
「あっ、何??」
「もうー、ティアナ!あの2人ならどっち?」
「え?」
「だからぁ、イケメンのファーランとリヴァイ。どっちが好みなのよぉ。よく話してるじゃない。」
「いや、そういうのは正直わかんない」
「ティアナ、食堂でも一緒じゃん!」
「ファーランもリヴァイさんも優しいと思う。それより寝よ。明日に響くから。おやすみ。」
ちぇー。と他の女子から声が聞こえるが疲れと睡魔には勝てず、すぐに寝息が聞こえてきた。
(ファーラン達もちゃんと眠れているかな?私もいい加減寝よう。)
_________________
みんなが寝静まった頃、エルヴィンとハンジ達は集まっていた。
「地下から数ヶ月で、この活躍凄いよね。」
「確かに逸材揃いだな」
「だが、壁外の本当の恐ろしさを知らない。」
「うーん。エルヴィン。きっと生き残る事に専念するんじゃない?」
「ハンジ。リヴァイからは人一倍の殺気がするぞ。」
「そうだけどさ。」
「ミケ班をフラゴン隊の近くに配置している。何か不審な動きがあれば、伝令を。ハンジ班は通常通りだ。なにかあれば、そっちも伝令を飛ばしてくれ。」
「「了解」」