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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第8章 壁外調査




幸いにも、その後巨人にはほぼ遭遇せずに今夜の寝床となる古城にたどり着いた。

ティアナは負傷兵の手当てを担当しており、痛みに耐える負傷兵達の中にファーラン達がいないのを確認してホッとした。
だからといって良かった、とはいえない状況ではあるが。
野戦糧食と毛布を受取り、明日に備え班に戻るとモブリットがハンジがいない…と浮かない顔をしていた。


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「見たよっ!決定的瞬間!!」
無遠慮にリヴァイらの輪に入り声をかけてきたハンジに思わずリヴァイは隠し持っている愛用のナイフに手をかけた。

「何をだ」
言葉少なく問いただすと興奮したハンジは座り込んだ。

「何って、君が巨人を倒すところだよ!いやぁ〜滾ったよ!本当に素晴らしかった!」

一瞬張り詰めた空気を吹き飛ばすかの様にハンジは話を続ける。

「立体機動はどこで習ったの?」
「練習した」

「みんな、あなた達の戦い方をみて巨人にだってやり方次第で勝てるって思ったんだよ。」

軽く見渡すと回りの視線がうるさい。

「本当に素晴らしかった。コツを教えてくれな……」

「ヘヘッ!リヴァイのアニキは強ぇんだ!地下でも一番なんだぜっ!敵う奴なんていねぇんだ!」
「うん、そのコツをさ…」
褒められた事で浮かれたイザベルがハンジの言葉を遮る。

「お近づきにこれどう?美味しいよ」
イザベルにハンジが袋を渡す。
甘い香りがする袋の中の菓子に滅多に食べられないイザベルはモグモグと食べ始めた。

「どうだろう。戦い方についてコツなんかを教えてくれないかい?」

「断る。俺らは我流だ。教えられることなんてねぇよ」

「少しでも、」

「悪い。疲れてるんだ」

「そう。ごめんね。じゃ、イザベル、ファーラン!壁内に戻ったら食事でもしようっ!」

残念そうに微笑みながらハンジは立ち去った。

そろそろ、見張りをのぞいては明日に備えて寝る時間になってきた。

ティアナとモブリットは戻ってこないハンジにやきもきしていた。打ち合わせも報告もあるのに…

「ハンジさん、一体どこ行ってたんですか?」

「いやぁね、ティアナ。話題の新人のとこに行ったんだけど、全く相手にしてくれなかったよ。」

陽気なハンジさんと無愛想なリヴァイさんが簡単に想像出来てティアナは苦笑いを浮かべた





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