第41章 壁外調査と捕獲作戦
「お前はどう思っているんだ?」
「一番いいのは退団し兵団との関わりを失くすことだが」
「また、それかよ!それ以外にないのか?って話じゃないか」
ハンジが噛みつくとエルヴィンはやれやれとばかりに肩をすくめる。
「では、ティアナが望むなら彼女を事務官とする」
「事務方か」
ミケとナナバは賛成もしないが反対もしない。
ハンジは苦虫を嚙み潰したようになった。
「残念だが、戦えないティアナが兵団に残るとなると選択肢はそうない」
「事務官って全体的な?それとも補佐官的な?」
ナナバは賛成になったらしく、具体的に考えている。
「それに関しては検討といったところだな、そもそも彼女が戻ってくるか自体がわからない状況だ。詳細はそのあとでいい。」
「そうだな」
ミケもエルヴィンの案に賛成しハンジだけは忸怩たる思いだった。
ハンジとナナバが同じ幹部棟にある自室に戻る際にこれからのティアナについて話している。
「いくらティアナでも努力だけでどうにかなる事じゃない」
「ナナバ、もしあなたがティアナと同じになったらどうする?」
「想像したことないね、壁外で死ぬんだろうと思ったことは何度もあるけどさ」
「ま、私も同じようなもんだ。でも今まで怪我で兵団から去っていった仲間はどういう気持ちでいたのかな?」
「終わったことを思っても意味はないよ。できればティアナにはどんな形でもいいから兵団に残ってほしいとは願っているけど」
「ティアナ次第か。今どうしてるのかな。リヴァイがいるけどさ」
「かけるしかない、リヴァイとティアナにね」
それぞれ自室につくと、手を振りながら夜の挨拶をして別れた。
※※※
リヴァイがティアナの傍で、うつらうつらとしているとベッドから一人分の重みが消えた。
屋外訓練場へ来ると杖を手放し来る途中に用意した立体機動装置はなんとか装着した。
足は悲鳴を上げているがティアナは気力で立ち上がる。
(あの木まで飛べたら)
怪我した反対の足に重心をおいて立体機動で飛ぼうと動いた瞬間、リヴァイが後ろから羽交い締めにした。
ティアナの装置を乱暴に取り外してリヴァイは手を離し、倒れたティアナをひどく冷たい表情で見下ろしている。
二人はお互いを睨み合った。