第41章 壁外調査と捕獲作戦
「もう一度言う。ティアナ、お前はもう飛べない 」
「どうして、そんなことを言うの……噓だよ」
「嘘はついていない」
崩れ落ちそうになるティアナをリヴァイは支えようと手を伸ばそうとするとその手を強く払いのける。
払った手をじっと見つめているティアナにリヴァイは再度手を伸ばし抱きしめる。
「頼むから、一人で苦しまなくていい。俺にも背負わせろ」
リヴァイの温かくて固い胸に呆然と顔を寄せて次第にティアナは力を抜き潤む瞳が視界を揺らめかせる。
「リハビリ頑張っても?どうしようもないの?」
ぐっと強く抱きしめリヴァイはティアナに答える。
「そうだ。日常生活は問題ない、杖もじきに使わなくてもよくなる。でも無理なんだ」
「そっか、もう駄目なんだね」
押し殺された声が漏れ、リヴァイの胸が濡れていく。
しばらく、そのままでいたがティアナはリヴァイの胸を押し返す。
「ごめん。一人にして」
躊躇したがティアナの伏せられた顔からは表情は伺えない。
「俺が一番苦しい時、お前は傍にいてくれた。今、傍を離れたら俺は後悔する」
じっと動かず、無言のままでいるティアナを病室から連れ出そうとすると抵抗する。
それをものともせずリヴァイは抱き上げると私室へと連れていく。
途中で諦めたのか力を抜いてリヴァイにされるがままのティアナに廊下ですれ違う兵士は目を丸くするが構っている余裕はない。
器用に鍵を開けるとソファに優しくティアナを座らせ、その隣にリヴァイも座る。
時間が止まったような空間でずっとティアナは涙を流し、リヴァイは肩を寄せ服が濡れるのも厭わなかった
泣き疲れたティアナをベッドに横たわらせてリヴァイはティアナの手を握り締めて傍にいた。
※※※
今頃ティアナは酷な現実を聞かされているだろう。
リヴァイが寄り添っているとはいえ、団長室にはハンジもミケもナナバも揃い、これからティアナが立ち上がれたときに関して話しあっていた。
「私の班から他にはいかせない」
「しかし、班に所属しているとティアナが不安定になるのでは?」
「そこは研究を手伝ってもらうとか、さ」
「ハンジ、それでも壁外の時期はどうしようもない」
黙っているエルヴィンに三人が目を向ける。