第41章 壁外調査と捕獲作戦
訓練指導を終え、汗を落としてからいつティアナのもとへ行こうかと時間を見計らう。2~3日分の仕事に関してはエルヴィンとハンジが請け負うことになっている。
その期間で立ち直るとは思っていない。初めのショックが少しでも落ち着くまでは俺がいることをエルヴィン達もよしとしてくれた。
これが他の兵士なら医師から簡単に告げられ、どんなに望んでも泣き叫んでも、そこで終わりだ。
俺たちがしているのは、ひいき以外のなんでもない。
それでも俺達にとってティアナは資金とかは関係なく必要なんだ。
※※※
第3医療隊でのリハビリに乗り気ではなさそうなエルヴィン団長とリヴァイの様子に何となく違和感が付き纏った。
リハビリについてはどの医療隊よりも知識・経験は豊富だ。
第3医療隊ではいろいろな人を見てきた。
基本として兵士としては致命的だが、一般生活にできるだけ戻せるようなプログラムを主に組んでいる。
”再起不能”の一言が不安を煽る。
でもリハビリ専門にしている第3医療隊なら。と希望を捨てられない。
「入るぞ」ノックもせずに来るのはリヴァイだけだ。
いつもなら嬉しいのに今日は来てほしくないと強く思っている。
「もう、いつも言っているのに。ノックくらいしてよ」
「悪いな、もう癖になってるからな」
いつもと変わらないはずのリヴァイとのやり取りなのに、取り繕った笑顔しかできない。
「話しがある。重要なことだ」
やめて、何も言わないで。
「まず、お前の怪我だがまだ杖なしでは歩けない状態だな。」
「うん、もっと頑張ってリハビリしなきゃね」
「しなくていい」
なにをいうの??そんなんじゃわたし
「第3医療隊にも、お前のカルテを見てもらった。もちろん今のリハビリ内容、お前の状態もだ。その上で言う。ティアナの怪我は兵士には戻れない」
いってる、いみがわからない
「ティアナ!俺を見ろ。こっちを見るんだ」
両肩を掴まれ揺すられる。でも何?何なの?
「お前は飛べない、これが現実だ。受け入れろ!!」
「あ、エルヴィン団長に退団させろ。って命令されたの?でも無理だよ?団長もいい加減諦めてくれないかなぁ」
「違う。誰も退団させたくない。でも兵士には戻れない」
泣かない。泣いたら嫌でも受け入れたことになる。