第41章 壁外調査と捕獲作戦
ティアナは折れた足を以前のように動かせるように懸命にリハビリをしている。倒れても起き上がって擦り傷をつくっては笑っている。
俺たちはティアナが懸命であれば、あるほど真実をいつ告げるかの判断を迫られていた。
ティアナは杖をつかずに歩こうとするがまだ無理なのは誰が見ても明らかだ。
「エルヴィン団長、第3医療隊でリハビリさせて頂けませんか」
時間が取れて見舞いに来たエルヴィンと俺の前でティアナが言い出した。
ここでのリハビリでは不十分だから。と。
ハーミットはリハビリで杖をつかずに日常生活を送ることは可能だが、それ以上は第3医療隊でのリハビリでも無理と判断していた。
「第3医療隊か、良いのか。リヴァイと会うのもままならないぞ」
「大丈夫です。何年もいるつもりはないですから」
にっこりと笑いながらティアナは俺をみている。
現実を喚き散らしたかった。
”お前はもう飛べない”と言ってしまいたい。
エルヴィンが俺を視線で押さえる。
「いきなりはあちらも困るだろう。打診はしておく。焦ることはない」
いたたまれなくて仕事を理由にティアナの病室をでた。エルヴィンもすぐに俺に追いついた。
「あからさま過ぎるぞ、リヴァイ」
「……わかってる」
ティアナ自身も今のリハビリでは戻れないと考えての発言だろう。
この発言がより、俺たちを悩ませた。
「早めに言うべきだ、現実は変えられない」
「だけど、ミケ…」
「他の仲間にもそう言ってきた。ティアナには言わずにいつまでも誤魔化せるか?ティアナも気付き始めているんじゃないのか」
「ハンジ、お前の気持ちもわからないではない。ここで兵士としてはやっていけないと告げるか、第3医療で希望を持たせてから告げるかのどちらかだ」
「俺が言う」
「リヴァイ!正気かよ、よりによってあなたがティアナに言うの!?」
他の2人の視線も俺に集中している。
「そうだ。俺以外に任せるつもりはない」
目を伏せ黙ってしまったハンジ。
髭を触り触り俺を見ているミケ。
何かを考えているエルヴィン。
どうしても避けられないなら、どう足掻いても変わらない現実にティアナが苦しむのはわかっている。
その時、俺は傍に居たい。
悲痛な叫びを向けられるとしてもだ