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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第41章 壁外調査と捕獲作戦



「あの子はリヴァイの補佐官だっけか」

「そうだ。なかなか優秀で憲兵団から引き抜くのに苦労した」

「へぇー。憲兵団から調査兵団に、ねぇ。どう口説いたのさ」

先程までの空気は若干軽くなり、雑談になってきたが沈鬱な三人はそれが丁度良かった。

「なんてことない。憲兵団の男性兵士からの露骨な誘いに嫌気がさして退団しようとしていたところを調査兵団に誘っただけさ」

「美人は大変だな」

「調査兵団にきてもリヴァイが上司かぁ。今は仕事もしない上司だしね」

はは、とエルヴィンが笑って、そろそろ退室しようと中腰になったハンジが面白半分と言った様子で「一時期、リヴァイとの噂がたってたよね、気の毒に」


※※※


「ん、」

眠りから覚醒する間の虚ろな目に入ったのは挑むような鋭い目のリヴァイだった。ティアナが起きたのに気付くときつい目は消え、優しくティアナを呼んで、頬に触れる。


「起きれるか?調理場からもらってきた、少しでも食べて薬飲め」

シャリシャリと軽やかな音がする。
きれいに皮をむかれたリンゴが皿にのせられ手渡される。

「ありがとう、頂きます」

甘くて酸っぱいリンゴはすぐに食べ終わり、コップに入った水と粉薬を差し出される。
仕方がないことだけど、苦くて舌が痺れそうな薬を多めの水で飲み下す。

「なんて顔だ、そりゃ」
揶揄う表情のリヴァイにムキになって言い返す。

「リヴァイはこの薬を飲んだことがないからわかんないだろうけど結構苦いんだよ?!」

「そうか?」

言い終わるとリヴァイの顔が近くて唇が触れたと思うと同時に熱くて湿った舌が侵入してきた。そのまま受け入れると上顎も歯列もなぞり時折絡ませた舌を甘噛みされると鼻から抜けた声が漏れる。

「確かに苦いな」

ニヤリと口角をあげ笑うリヴァイには敵わない。

「明日、また来る」

今度は啄むようなキスを落として病室から出ていった。

※※※

コツコツとブーツのたてる音がやけに耳障りだ。
自分の執務室のドアを開くとエリーが補佐官用のデスクで書類を捌いている。
「おかえりなさい」俺に気づくと笑顔と少し違和感のある挨拶をしてきた。

「留守にして悪かった。書類も助かった」

「いいえ、これが仕事ですから。でも今日はお先に失礼しますね。」
「ああ」と返事すると笑顔で執務室から出て行った。

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