第41章 壁外調査と捕獲作戦
「やぁ、眠り姫。起きたと聞いて飛んできたよ」
チッと舌打ちしたリヴァイはエルヴィン団長を睨むけど何でもないように空の花瓶に花を生けて水差しから水をほんの少しだけ入れる。
「どいつもこいつも病人とこに来やがって。ティアナがゆっくり出来ねぇだろうが」
「おや、リヴァイには言われたくないな」
「聞いてくれよ!エルヴィン、リヴァイったらさ…」
「ハンジ、リヴァイそろそろ戻るぞ。ティアナまた来るから今はしっかりと休んで怪我を治すことに専念しなさい」
賑やかすぎた病室はエルヴィン団長を筆頭に出ていく。ハンジさんはウインクしてまた来るね。と口を動かしている。
「大人しくしてろよ」
まるで母親のようなリヴァイの言葉に笑顔をみせながら出ていく皆を見送った。
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団長室に集まったハンジ、リヴァイ、ミケはエルヴィンから聞かされた言葉を失った。
「ハーミットから報告があった。確定ではないが、ティアナの傷は骨折で間違いないが、恐らく兵士生命が絶たれる怪我だそうだ」
一番に反応したのはリヴァイだ。
「今日、目覚めたばかりで、んな事わからねぇだろうが!」
今にも飛びかかりそうなリヴァイをミケが押し留める。
「彼女の怪我の状態からただの骨折ではなく一部砕けているそうだ。それの意味がわかるだろう?」
信じたくないが今まで見てきた仲間を、長年壁外から戻った兵士たちを診てきた医師の判断は信ぴょう性がある。
痛ましい表情でハンジは自分を責める言葉を口にするが、壁外調査で巨人の手に落ちて命があるだけ幸運なのだ。
たっぷりと時間をおいてからエルヴィンは宣告した。
「まずはティアナの状態が良くなってから判断したい。そしてハーミットの言った通りの状態であれば退団を勧める」
「あいつは退団なんざ、絶対にしねえ」
「もちろん、彼女の意思は聞くさ。ただ兵士として致命的であれば退団は仕方ない。今までの仲間もそうだったろう」
エルヴィンにしてもそれは苦渋の選択なのだろうと、その表情が物語っている。
わかっている。理解している。もし、そのままの状態で壁外に出れば今度こそ、ティアナは命を落とす。
万全の状態であっても危険なのだ。
ハンディを抱えながら壁外に出るのは自殺行為だ。