第41章 壁外調査と捕獲作戦
リヴァイの私室で今夜も過ごすことにした。
すこしでも互いの温もりを感じて明日を迎えたかった。
ベッドでティアナを抱きしめ髪に顔をうずめている。
「リヴァイ、ちょっと苦し、眠れない」
「うるさい、俺の好きなようにさせろ」
「こどもみたい」
クスクスと笑うティアナが愛おしい。
文句を言いながらティアナもリヴァイに抱きつく。
明日も明後日もその先も。こんな風に過ごす。
「エルヴィンにお前の部屋を俺の隣に用意させる」
「それ、職権乱用」
「知らん。エルヴィンが責任とりゃいい」
「我が儘だなあ」
「行ったり来たりは時間の無駄だ」
ティアナが眠ってもリヴァイはぴったりと寄り添い寝顔を見つめていた。
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エルヴィンもなかなか眠れない夜を過ごしていた。
早く眠らなければ明日に響くとはわかっているが、脅迫じみた手紙には今回の壁外調査以降はティアナに手を出さないと記されていたが、信用はできない。
差出人の突き止めて、この始末をつける。
絶対にティアナは生き残る。その願いより強く、祈るようにティアナの名を口にした。
※※※
ハンジは珍しく早々に寝支度を済ませていた。
全ての準備は整えた。作戦も練りに練ってきた。
必ず作戦を成功させ、部下とティアナを守ってリヴァイと帰還させる。
ショットグラスに注いだ琥珀を一気に飲み干し目を閉じた。
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朝が白み始めると普段より早いにも関わらず殆どの兵士は起きている。
馬のたてがみを撫で、世話をするもの、装備のチェックに余念がないもの、仲間同士、にぎやかな挨拶を交わすもの。
恐怖も怯えも押し殺して、壁の外へ向かう。
出立の時間が迫り班ごとに集まる。
お互いの気持ちを高め、開閉門の前に集合する。
ヒソヒソと話す言葉に惑わされないように毅然と背を伸ばし、号令を待つ。
「門の付近は片付けた!武運を祈る!!」
援護班が叫ぶ声に待ち構える。
「さぁーて、今日の主役は私達だ。だけど慎重に確実に行こう!」
エルヴィンのあとにつくリヴァイが振り向きハンジを見据える。
(わかってるよ、リヴァイ)
パチンとウィンクするとチッっと舌打ちをしてるようだ。
開門30秒前!!