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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第41章 壁外調査と捕獲作戦



苛立ちが収まらない。すれ違う奴らは端に寄り固まっているが気遣う余裕はない。
ティアナに会いたいが顔を合わせば、すぐ俺の苛立ちに気づくはずだ。
人もまばらな訓練場でひたすら飛ぶ。どうしたらあいつを前線に出さずに済むか。それだけが頭を占めている。
一旦、降りてから木の根元に座る。
いっそ壁外に出れないよう骨の一本を繋ぎやすいように折るか?
そうすれば負傷者として壁内に留まることになる。
俺が俺の手でティアナを傷つける。
「クソっ」頭を抱え前髪をクシャリと握りしめる。
分裂しそうな思考に囚われてしまう。


芝生を踏みしめる音が聞こえて近づいてくる。
過敏になった神経はそれが誰か気づかせる。

「ここに居たか」

一番会いたくない奴だ。俺がどう足掻いてもこいつの一言ですべて決まってしまうんだ。

「なんの用だ。俺は折れる気はない」

「お前が懸念していることはわかる」

「ハッ、わかるなら取り消せ」

風が静かに間を通り過ぎていく。

「…ならば彼女自身に決めてもらおう」

こいつは悪魔だ。ティアナが決して断らないと知っていて。俺があいつの気持ちだけは変えられないと知っていて。

「これ以上その面を見せるな、殺したくなる」

「そうか」

一瞬、エルヴィンの顔が歪む。それすら許せない。
来た道を戻る背中を見つめながら胸が軋んで裂けてしまうんじゃないか、そう感じながら俺はその場から動けずにいた。


※※※

ようやく楽になって起き上がるとリヴァイのメモを読んだ。
自室に戻ろうかと思ったけどリヴァイの帰りを待ちたかった。
本棚から興味をそそられた本を読んでいるとドアが開く。

「リヴァイ?なにがあったの、ひどい顔してる」

「断れ、行くな。行く必要ない」

何を聞いても繰り返しそれだけを口にしている。

「リヴァイ?ねえ、リヴァイ?」

軽いノックが聞こえると離さないとばかりに強く抱きとめられる。

「ティアナ、出てきてくれないか」

エルヴィン団長とわかると更に力を込め身じろぎすらできない。

「リヴァイってば」

「出てこれないなら、そのまま聞いてくれ。君は前線で戦いたいか?」

リヴァイの様子がおかしいのはこれが原因だとわかった。
痛いほどリヴァイは…

「今すぐ答えられないなら。ティアナ・ディーツ、団長として命じる」

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