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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第41章 壁外調査と捕獲作戦



「ほら、水だ」
おぼつかない手でコップを受けとるティアナは贔屓なしで色気を振りまいている。

「レモンの味がする」

こうなることはある程度予想していたので、少しでもさっぱりするレモンを水差しに入れていて正解だった。
ティアナは酒に弱い。いつも気をつけて飲んでいる。今回はハンジの注ぐ酒を断れず飲み、気が緩んで酔いがまわってる。

「気分はどうだ、吐き気はないか」

「気分は悪くないよぉ、もっと飲めると思う、飲める」

きっと明日は二日酔いと今夜の振舞いを覚えていたら恥ずかしさで後悔するだろう。

「とにかく、ベッドに入れ」

「リヴァイも一緒?眠る?」

潤んだ瞳とアルコールで熱っぽい体温、赤い顔。
そのまま押し倒してしまいたい。
だが相手は酔っ払いだ。酔って前後不覚の相手に手を出すほどクズじゃない。そう言い聞かせゆったりした服に着替えさせてベッドに押し込むとすぐに寝息が聞こえてきた。
それさえも欲を掻き立てるがソファでブランケットを被って眠れない夜を過ごした。

私室から出ると他の奴も二日酔いに苦しめられ医務室は忙しそうだ。
その他の奴らも青白い顔で水を求めて足取り怪しく歩いている。

部屋に戻るとティアナは目を覚ましていて体調はどうか訊く。

「どうだ、調子は」

「頭が、痛、気分悪い」

ティアナも漏れなく二日酔いだ。
念の為に常備している頭痛薬と胃薬を渡して目の前で飲ませる。
吐き気がひどいときの為に洗面器も用意済だ。

「迷惑かけてごめんなさ、い」

「迷惑とは思っていないが、これで酒の怖さはわかっただろ。いいか、俺以外の前では酒を飲むのは禁止だ」

小声で返事をするティアナに軽い食事なら食べられるかと聞くと「今はたべもの見たくない。。」と言うので水分を取らせ、ベッドで休むように促すと素直に従った。


唸りながらも寝ているティアナも明日にはきっと本調子になっているだろう。

※※※

ダンダンダンとドアを叩く音が聞こえてくる。
せっかくティアナが寝ているってのに奇行種め。
寝室のドアを静かに閉める。

「起きてるだろうー!」

思ったとおりだ。ハンジはよく飲むが二日酔いにならないタイプだ。

苛立ちながら部屋のドアを最低限で開けると案の定ハンジがパァっとした笑顔で立っていた。

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