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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第41章 壁外調査と捕獲作戦



巨人捕獲に憑りつかれたようなハンジさんはいくらエルヴィン団長に却下されても諦めなかった。
そして、壁外調査が始まり被害は少なく拠点に辿りつき簡易テント内で臨時会議をしている時、エルヴィン団長に何度も却下され狂気にも似た言動でオルオに嚙みついていた。すぐに理性を取り戻したものの危うさを秘めたハンジさんにモブリットさん含めハンジ班は緊張していた。

パァーンと赤い信煙弾の前にミケさんが巨人に気づくと跳ねるようにハンジさんは単独で行ってしまった。考えるよりも体がハンジさんを追って最高速度で馬を走らせた。

森で見つけたらしい巨人をこどもと追いかけっこするように立体起動で飛び誘導している。

「ご機嫌いかが?」話しかけるハンジさんがご機嫌なのは百歩譲って良いかもしれない。けれどは巨人はわたしに狙いを定めたのか腕を振り回し、木に体当たりし逃げても追いかけてくる。
このままじゃ…討伐するしかない。
力の弱い自分はいつもできるだけ高く飛んで落ちる速度を乗せ項を削ぐ。タイミングを計って飛ぶと大声でハンジさんに止められ、反射的に十分な距離を取ってアンカーを刺す直す。急な方向転換で重力が容赦なく全身を襲う。ギリギリ躱した時にリヴァイ班が信煙弾をうち巨人に向かっていく。

「こっちだ!間抜け!」

オルオが項に狙いをつけて切り落とそうとするもハンジさんが止め、その為オルオが巨人に掴まれた。
ハッと視線を逸らせずにいるとリヴァイが狂いなく項を削ぎ落とし蒸気をあげ倒れオルオはリヴァイに改めて忠誠を誓っている。

ハンジさんが嘆く傍に着地したリヴァイは怒りをあらわに「てめぇが巨人のクソになりたきゃ構わねえが部下を危険に晒すんじゃねぇ!!」と怒鳴るとキョトンとした表情で「巨人は排便しないよ?消化器官がないから」とケロリとしている。

一触即発の空気のなか震えた声でペトラが木の洞の中に気づいた。

側に落ちていた手帳を見ながらリヴァイは一言「イルゼ・ラングナーの戦果だ」と大切に懐に仕舞った。

遺体は崇めるかのごとく安置されていた。遺族の元に帰れるように丁寧にマントで包んでイルゼを拠点へ移され、事情を知るものは箝口令を出された。

言葉を発する巨人。遺体を崇めるように守っていた巨人。

これまで有り得ないとされていた出来事。
なにが起きて、何故という疑問だらけ迷宮にいる気分だった。

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