第40章 ※特別休暇※
会話は途切れ途切れで、話の助け舟を上手にエルヴィン団長は出してくれる。が、もとより共通点はほぼない。どうしても仕事上か社交界などになってしまう。
「おっと」
懐中時計を出し時間を確認して団長が申し訳なさそうな表情で「君ともっと話したいが夕食の時間のようだ。食事を摂ってきなさい」
その言葉でどれだけ居座っていたんだ、と反省の言葉を述べる。「いや、私も良い気晴らしになった。ありがとう」と逆にお礼を言われ恐縮する。
「団長もお食事ですよね。食堂へ行かれますか」
何も思わず口をついて出てきた。
「いや、後で食べることにするよ」
苦笑する団長に気づいた。こんなに長居したんだ。ただでさえ忙しいのに時間を取ってしまった。リヴァイもそうだけど仕事が溜まっていると食事抜きくらいしかねない。
「宜しければお食事をこちらまでお持ちしましょうか?」
キョトンとした顔でエルヴィン団長が瞳を大きくしてこちらを見ている。内心珍しいと不謹慎なことを思いながらもこのくらいしかできることもない。
「それなら頼んでも良いかな?もちろん君の分もね」
ほんの一瞬考え込むように顎に手を当てていつもの笑顔で夕食も二人でと含んだ言葉を失礼のないように断ろうとするが相手が何枚も上手だ。
「一人で食べる食事ほど味気ないものはないんだが、リヴァイに怒られてしまうかな?」
「…あまりいい気分にはならないとは思います」
トーンの落ちたわたしの声に上品な笑みを崩さずにエルヴィン団長は一言「そうだな。すまない、食事は後で摂るから心配はしないでいい」と言った。
ほっとして、退室しようと敬礼をして扉に手をかけようとするが先に扉が開かれた。
「エルヴィン、処理が終わった分の確認…」
開かれた扉の向こうにはリヴァイがいて書類を手にしている。
「……なんでお前がここにいる」
普段よりも低い声音でリヴァイが怒っているのが伝わってくる。
「休暇からの帰還報告で、、」
「こんな時間まで一体なんの報告だ」
「そう目くじら立てるな、リヴァイ。私が気晴らしに話相手になって欲しかったのに付き合ってくれただけだ」
リヴァイはエルヴィン団長を睨みつけながらわたしの手を引いた。強く握られてジンジンと鈍い痛みがする。
無言で団長室を出て手を引かれたまま早足のリヴァイに今はついていくしかない。
