第40章 ※特別休暇※
「ありがとな。ティアナ」
振り向きながら言うリヴァイは切なそうで悲しそうで。でもその奥は凛としてもいた。
「また来ようね」
「ああ」
馬車に戻ると待ちぼうけの御者は喜び街へと戻る道を行きより早めに飛ばした。
私たちは言葉少なでいたので速いスピードでも問題はない。
次第に賑やかさに溢れている街に到着すると、時間は夕食時で家々からは家庭の匂いがし、こどもたちの声が聞こえてくる。
「腹減ってねえか?」
食べ物の匂いに釣られてキュルキュルと空腹を訴えた。
音が聞こえたのか、リヴァイは苦笑しながら周りを見渡しながら明るい方へと手を繋ぎながら引っ張っていく。
ちょうど屋台がいくつも開いていて、目の前で調理されておいしそう。
「全く間抜けな面しやがって。戻ったら訓練を二倍にしてやるぞ」
食欲のままに買い求めた食べ物にかぶりついている私にリヴァイの辛辣な言葉が続く。
「だって、美味しいよ。食べて見る?」
潔癖なリヴァイを忘れて食べかけを差し出してしまった。
アッと思ったときにはリヴァイの口の中で驚きのあまり凝視してしまった。固まってしまっている私を見て何ということもないといった風に「案外うまいな」と返すリヴァイ。
驚きはしたものの、せっかくの機会を楽しまきゃ損だ。
「ね、たまにはいいでしょ?」
「たまにはこんなのもいいもんだな」
穏やかな空気で街を歩き、疲れたころ「宿に戻るか?」とリヴァイは言った。
宿に戻り一日の汗を流し明日の予定をたてる。
ゆっくりと二人の時間を取れるのは明日まで。
午後には帰る予定。
もっとゆっくりと帰着しても問題は無いはずだけど休暇ボケは避けたいのは二人とも一緒で。
なら今ある瞬間を大切に過ごす。忘れないように心に刻んで。
テーブルを挟んで買ってきた紅茶を飲みながら今日の出来事を話す。
リヴァイと出会ってから幾つかの季節はめぐり、壁外調査も乗り越えてきた。人類最強なんて二つ名がついても仲間を失っていくことには変わりない。
ほんの少しでいい。いつか思い出してくれたならそれでいい。
そんなことを考えながら話しているとリヴァイの眉間に皺がよっているのに気づくのが遅れた。
「ほお、ティアナよ。俺と話しているのに余計なこと考える余裕があるようだな?」
しまった、ギラリと光る野獣を起こしてしまったようだ。
