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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第1章 序章 支援者の微笑み


楽屋裏の通路を案内に従い、その後ろに付く。
そこには、公演後の冷めやらぬ熱気をまとった男女らがひしめき合っていた。



楽屋の奥に行くにつれ人はまばらになり突き当たりの扉を白髪男性はノックし中へ声をかけた。

「どうぞ」

優しげな女性の声を確認し扉が開かれる。

エルヴィンは柄にもなく少しだけ緊張しながら室内へと進んだ。


そこは広めの部屋で端にはピアノ、部屋の真ん中にはローテーブルとソファが向かい合うように設置されていた。
奥のソファには貴族と一目でわかる50代半ばくらいの紳士と仮面とプリンセスドレスの若い女性が座っていた。

キースとエルヴィンが入室すると、彼らは笑みを浮かべ立ち上がり紳士とキースはテーブル越しに握手した。
女性は品良くドレスの両端をつまみ身を下げる。

「お招き頂きありがとうございます。今夜も素晴らしい公演でした。」
そして斜め後ろに立つエルヴィンを示し紹介する。
「彼は分隊長のエルヴィン・スミスです。」

「初めまして、分隊長となりましたエルヴィン・スミスと申します。」
エルヴィンにしては言葉少なげに、しかし気づかれぬ程度に支援者へ碧眼を向けた。


それを受け紳士から話し出した。
「私はコーネリアス・フェルンバッハ。隣にいるのはアーリヤ・ベルンハルトと申します。顔を出すのが苦手でして、仮面のままで失礼致します」

「アーリヤ・ベルンハルトと申します。」

アーリヤはエルヴィンを見据え再度身を下げた。


仮面さえなければ、細かな表情もみれるのだが……
エルヴィンは微笑みは絶やさず内心では、アーリヤを計りかねていた

それぞれ名乗りコーネリアスがソファを勧め、兵団の幹部二人は柔らかなソファに腰を落ち着けた。
それに合わせて向かい合う二人もソファに座る。


タイミング良く先程の男性がティーセットと茶菓子をテーブルに並べる

「どうぞ、お召し上がりください」
コーネリアスが人好きのする笑顔で勧めてきた

支援者の機嫌を損ねてはならない。
キースとエルヴィンは上質で甘い香りの紅茶を口に運び、これからの会話に集中する。


「調査兵団のこれまでの働きには感服しております。
その活動にお役立て下さい。」

コーネリアスから提示された資金額は前年よりも多かった。

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