第40章 ※特別休暇※
静かな空間で隣にはリヴァイがいる。
なんだ。それだけでいいじゃない。
肩にリヴァイの頭の重みを感じる。
「お前だけだ。こうしたいのもな」
「怒ってるんじゃなかったっけ?」
「忘れた」
兵団では決してみせない姿に胸が幸せで溢れる。
今度は私がリヴァイのさらさらした髪を撫でる。
リラックスした心と飲みすぎたアルコールがだんだんと眠気を誘う。
「眠たくなるね」
「ここで眠るな」
「ん、でも眠い」
「仕方ねえな。宿に戻るぞ」
まだフワフワしている私を支えて宿の方向へ。
「まだ寝るなよ。寝たら担ぐからな」
ふふふっと担がれる自分を想像して笑うと本当に忙しいやつだ。と耳元で呟かれた。
※※※
シワひとつないベッドに飛び込もうとすると止められ、まずは風呂に入れと浴室に放り込まれる。
一枚一枚と服を脱いでバスタブにお湯を張り、シャワーで髪を濡らしているとカラリと音がして振り向くと全裸のリヴァイが堂々と入ってきた。
スーッとアルコールは消え、両手で胸と足の付け根を隠す。
「な、なんで?!」
「一緒に入るからに決まってるだろ」
爆弾発言にアルコールとは違う熱さが身体中を駆け巡る。
「ほら、洗ってやるから大人しくしろ」
肌をあわせた事はあっても、これは恥ずかしい。
明るいなかではすべてがみえる。
「まずは髪からだな」
適温のシャワーをふざけてるのか、全身にかける。
濡れて張り付く髪を耳にかけ、恥ずかしがることもねえだろ、とシャンプーを泡立てる。
その気になったリヴァイは止められない。
借りてきた猫のように大人しくしているといい子だと紡ぐ心地よい低音に為す術はない。
丁寧に髪を洗ってすすぐと今度はコンディショナーを髪の先に付けて、ボディタオルを泡立てている。
気持ちいいけどやられっ放しなのはいただけない。
仕返しとばかりに後ろにいるリヴァイにシャワーを向けたのは失敗だった。
濡れたリヴァイはさっきより何倍も色気を漂わせている。
マズいと気づいた時はもう遅い。