第39章 ご褒美?
本部に戻ると買い物袋は一旦宿舎へ運ぶらしくナナバさんの部屋に置くとありがとう。と言われ、こちらこそ。ありがとうございます。と別れた。
手元にはハンジさん達に渡すお土産ともう一つ。
ベッドの端に座るとふと浮かんだ。
今日はまだハンジさんの顔をみてないなあ。まだ定時じゃないしハンジ班=残業多い、だ。
お土産分の買い物袋を手にまずはハンジさんの研究室に向かった。
※※※
私服だったのが悪かったのか、休日なのに研究室へ来たのが悪かったのか…
ハンジさんはいつもよりテンション高く鼻息も荒くして迫ってくる。
身の危険を感じるがなんとかモブリットさんやニファが押し止めてくれている。
「ティアナ!すっごいかわいい!!食べちゃいたい!!!」
「落ち着いてください!!おびえてるじゃないですか!!」
「ティアナ、早く、はやく逃げて!!!!」
ここは壁内なのにどうして…
ごめんなさい。ありがとう。とにかく今は…逃げるっ!!
バタバタと廊下を走り抜けるとすれ違う周りの目がなんの騒ぎだと訴えかけている。どこに、どこに逃げれば。多分追ってくるだろうハンジさんに捕まれないところ、とそれだけを考えていると勢いよく人にぶつかった。
「つうぅう、いった」
鼻が痛い。思わず蹲って呻いていると上から声がする。
「痛えだろうが、走ってんじゃねえよ」
「リ ファイ??」
「なにやってんだ。お前は」
「ハン ジさん、逃げ…」
特大のため息が聞こえ、しゃがみ込んだままの私に手を出して立ち上がらせる。
「で?あのバカがどうしたんだ?」
答える前にハンジさんの奇声がドンドン近づいてくる。
リヴァイの手を振りほどこうとするも力では敵わない。
「ほんと、ちょっつ、」
「ティアナ!待ってってばぁ~お~願いぃいいいい」
追いつかれてしまった…ハンジさんの後ろにモブリットさんが見える。
興奮状態のまま抱き着こうとするハンジさんから守るようにリヴァイが前に立ち、片足でハンジさんを蹴り飛ばすとズザザザと廊下を滑っていく。
逃げている自分が言うのもなんだが少し、気の毒になってくる
「分隊長!大丈夫ですかっ!!」
モブリットさんが介抱していると「だ~いじょうぶ!」とハンジさんは立ち上がった。
リヴァイ以外の居合わせた人たちは只々呆然としていた。