第7章 演技と本音
早速、食事の際にはティアナに声をかけ、一緒のテーブルに付く。
初めは戸惑っていた周りも次第に打ち解けてきた。
壁外調査前だからか、仲間意識に溢れている。
それにティアナが周りにも自分達を紹介するので、手間も省けた。
相変わらずリヴァイは話そうとはしなかったけど。
ティアナの周りには一般兵が多かったが狙い通りハンジもミケ、フラゴンも、よくきた。
急に馴れ馴れしくするのではなく、あくまでも少しずつ兵団について、壁外について。
フラゴンは相変わらず暑苦しく、ミケは寡黙だが聞かれたことには、ちゃんと答えたし、ハンジに至っては勝手に巨人トークを繰り広げてはリヴァイ達がどうやって立体機動を習得したのか?など質問したいのに、逆に質問されてばかりだ。
時にはイザベルが暴走気味になり、慌ててしまうという場面もあったがなんとかやってる。
仕事の一環だと思わなきゃやってられない毎日だ。
午前の訓練が終わって、昼飯になると、いつものように、あれこれと無駄な話もそうじゃない話しも聞いては聞き返す。
その後は午後の休憩時間に紅茶を飲むリヴァイの横にいるファーラン達を見つけてはティアナが笑顔でやってくるようにもなった。
リヴァイを紹介した時は、あまりの無愛想振りに苦笑いしてはいたけど、リヴァイが反応しなくても、笑顔で話しかけてくる。
それにハンジやミケとも、話す機会も増えてきて最近ではハンジのお守りをしている副班長のモブリットが不憫だとミケと意見一致した。
ただ、エルヴィンに関しては先ず食堂や談話室に来ない。会えなければ接点はない。が、あの男はまだ来なくていい。この友達ごっこもハンジ、ミケの二人で今は手一杯。そこにエルヴィンも加わればボロが出そうだ。主にリヴァイが。
とにかく警戒を少しでも薄くする事。
初めての壁外調査に戸惑っている事などなど。
結構探せば話題もあるもんだ。
夜はそれぞれで動く。
リヴァイはハンジの執務室になんとか我慢しつつ探索は諦めていない。
俺達は今まで通りティアナと親睦を深めていく。
そんな毎日にイライラしているリヴァイだが、ハンジに話しかけられても執拗いとすぐに席を立ってしまう。
なんとか愛想振りまいてほしいが、こればっかりは仕方ない。これでもリヴァイにしては大分譲歩しているんだ。