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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第38章 気乗りしない夜会


馬車が建物の正面で止まる。
エルヴィンはスマートに手を差し出しティアナは手を重ねてゆっくりと降りる。
そしてエルヴィンは腕を組みエスコートする。

その姿が様になっていてリヴァイは苦虫を噛み潰した。
先を行く二人に続いてリヴァイが降り、先を進もうとすると後ろから兵長…とエリーが細い声をかける。
聞こえないように舌打ちしてから手を差し伸べるとエリーは満足そうな笑顔を浮かべた。

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エルヴィンが記帳し終えエントランスを進むと華やかな姿の貴婦人たちと歓談する紳士たち。
天井には精密な絵が描かれ、シャンデリアは暖色の光を反射しこの場を別世界のように演出している。

(かなり場馴れしてるもんだな)

前を行く二人は贅沢な空間に違和感なく自然に溶け込んでいる。

「兵長、少しゆっくり…」
自分がエスコートしているエリーに歩調を合わせてくれと頼まれ歩幅を狭める。

「おお、君はエルヴィン・スミスか?」

「ええ、子爵。お久しぶりです。お元気そうで何よりです。」

「今夜を楽しみにしていたんだ、ところで隣のご令嬢は?」

「申し遅れました、こちらは私の補佐官のティアナ・ディーツ、兵士長のリヴァイ、その補佐官のエリー・バルトです。」

紹介されティアナは上品に足を引いて貴族流の挨拶を述べる。慌ててエリーもそれに倣う。

「ほう、兵士には見えないお嬢さん方だな。そちらがリヴァイ殿か。」

「お目にかかりまして光栄です。」

口調は丁寧だが、愛想のないリヴァイに子爵は型通りの挨拶をするとエルヴィンに壁外について話しを移して立ち去っていく。

片手にはシャンパングラス、人好きのする笑顔でエルヴィンは貴族の男性陣に挨拶しては同じような会話を繰り返す。

(くだらねぇな、よく相手してるもんだ。)
心の中で毒づいていると、エルヴィンの隣にいるはずのティアナはいつの間にか一人で声をかけてくる貴族の相手をしており、エルヴィンもまた別の貴族と話している。

(…エルヴィンの野郎。一人にしやがって……)

リヴァイにも好奇の視線を向けつつ寄ってくる貴婦人や紳士の相手をし、エリーはリヴァイのそばを離れずに愛想を振りまく。



騒がしい夜会はまだ始まったばかり。

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