第37章 13代団長就任と幹部任命
あれからリヴァイは何とか時間を上手く作れるようように一層効率よく仕事をこなして消灯前には必ずティアナの元へ訪れていた。しかし反応はなく次第に苛立ちは大きくなっていた。
あれから兵舎であってもどこでも決してティアナが視線を合わせることはなく、こちらから話しかけようとしてもするりと逃げられる。これではまともに話もできやしない。
不本意だがハンジの執務室へと向かいノックもせずにドアを蹴り上げた。
「何?てか、リヴァイか。ノックくらいしなよ。」
混沌と化している執務室に顔を歪めながら執務室を見渡すが目当ての人物は見当たらない。
「おい、ティアナはどこにいる。」
「第一声それかよ、まったく。ティアナならお使いで帰ってくるのは夕方ごろかな。」
チッと一つ舌打ちし、出ていこうと背を向けるリヴァイにヤケに陽気なハンジが確信めいた言葉をを投げる。
「ねぇ、見たところ君たち全くうまくいってないよね。別れるの?」
クルリと振り返ったリヴァイの怒りに満ちた顔とは正反対にニコニコと爆弾を投下したハンジは静かな怒りでリヴァイの返事を促す。
表情とは裏腹にその目は厳しい。
「ふざけたこと抜かすんじゃねえよ。ティアナがそう言ってんのか。」
「あの子は言わない。わかってんだろ。」
肩をすくめるハンジにリヴァイは詰め寄る。
「どっからそんな話が出たのかは、もういい。言っとくが俺はあいつと別れる気も手放す気もサラサラねぇ。」
「あなたがそう思っててもティアナは?あの子がどうしたいか、どう思ってるのか分からないだろ?」
頑なに拒絶し続けるティアナの姿を思い出してリヴァイはつい弱音を吐いた。
「ティアナとの約束を破った。ちゃんと話そうとしても俺から逃げて捕まえられねぇから、ここに来たんじゃねえか。」
「それだけだと思ってんの?毎日噂に晒されるわ、見せつけておきながら?」
「噂?何が言いてぇんだテメェは。知ってんなら教えろ」
「教えない。そもそも私が言うことじゃないだろ。でも、話したいならきっかけを条件付きで作るよ。さっきも言って通り夕方までティアナは帰ってこない。でも必ずあなたの執務室へ行くように仕向けるから、あなたは補佐官含め人払いしておくこと。」
簡単な条件にリヴァイは強く頷いた。