第37章 13代団長就任と幹部任命
次の日、二日酔いに苦しみ頭を抱えている人も何とか朝食をとり、朝食すらいらないと部屋に篭もるものが多い。この状況を見越していたのか、エルヴィンは全員特別休暇を与えた。昨夜の生き残った人と具合の良くなった人で片付け、午前中は過ぎていった。
午後にはだいぶ楽になったものは世話をかけたと方々に謝っては遅い食事を摂っているが楽になったとはいえ食欲がないのかスープだけを飲んで自室に戻るようだ。
そんななか、ハンジは何事もなかったようにいつものテンションで話しかけてきてはリヴァイに悪態をつかれている。
ハンジもリヴァイも兵舎の最上階にある部屋へ引越しだ。
兵士長、分隊長は宿舎を出て幹部として兵舎内で過ごすことになる。
せっかくの休日を宿舎から荷物を移動させ、執務室、私室と行ったり来たりする。
モブリットに重そうな荷物を抱えさせながらハンジはティアナが二日酔いに苦しんでないのを見逃さず手伝いをお願いする。
荷物の多いハンジの引越しには人手が足りないらしい。まずはハンジの宿舎の散らかり放題を片してから出入口に待機しているモブリットに荷物を渡しては午後を過ごす。
引越しが終わるとハンジの宿舎の部屋を掃除し空っぽの部屋を見渡してよし。と今度はハンジの新しい部屋に運んだ荷物を解いていく。
これもまた厄介なもので、午後だけでは足りず残りは明日へ持ち越しとなった。
「いっやー、ほんと、助かったよー。明日もよろしくね〜。」
昼食抜きで励んだので、お腹はペコペコで夕食がいつもよりも美味しく感じるが、明日もか………とモブリットと疲れきった顔を見合わせガックリと肩を落とした。
きっと明日は他のハンジ班も復活しているからと慰めあい、宿舎へ戻りお風呂に入ると酷使した体は疲れを求め深い眠りについた。
リヴァイは与えられた二部屋を徹底的に掃除し満足してから荷物を運んでいた。
その合間にティアナを見かけたが忙しそうに行ったり来たりするティアナに声をかけられずに苛立ちが募りのんきに前を歩いているハンジを見かけたので蹴りを入れた。
「なんで蹴るのさ!訳わかんないよ!!」
「…………」
リヴァイは不機嫌を隠さず切れ長の目で睨んで去っていった。