第37章 13代団長就任と幹部任命
「俺のとこで飲み直すか?」
普段から寡黙なミケがリヴァイを誘うが今夜はもう酒を飲むつもりは無い。
「悪いが…別の日にしてくれ。俺は寝る。」
「そうか。」
宿舎に戻ってそれぞれの部屋で別れた。
リヴァイは深いため息をついてクラバットを緩め寝支度をしベッドへ横になると余計な事は考えずに目を閉じた。
数日後、晴天の中敷地内の広場でエルヴィンの第十三代団長就任とリヴァイの兵士長、ハンジ、ミケの分隊長の任命式が行われた。
ほとんどの兵士たちはリヴァイを除いた順当な職位には騒がなかったものの、リヴァイの兵士長という新設の役職と団長直下の職位にざわついた。
エルヴィンから兵士長の役割、重要性、リヴァイ以外の適任者は居ないとの発言に兵たちは次第に静かになり、無事任命式は終わった。
その後は新たな兵団幹部の就任を祝う為にささやかな宴会が開かれる。
大っぴらに酒を飲み、普段は出てこない肉料理に男も女も喜び大いに楽しんでいる。
役職持ちとなったリヴァイらの席には酌をしようとひっきりなしに兵士が来て大声で話していく。
それにうんざりしたリヴァイはどんちゃん騒ぎの中でティアナはどこにいるかと目を凝らすが見つけられずにいると、いつの間にかリヴァイの横にハンジが陣取りコソコソと耳元で話しかけてきた。
「ティアナ探してんの?」
ギロリと睨むが効果は無くケラケラ笑っている。
「心配しなさんな、うちの班と一緒にいるよ!」
フイっと反対側に向くとエルヴィンやミケはまだ捕まっている。
無礼講ならば席を外してもいいだろうと立ち上がろうとするのをハンジが止めた。
「まあ、まあ。今夜はみんなに付き合いなよ。兵士長っていう今までなかった役職だからみんなお近づきになりたいんだよ。直にうちの班も来るから。」
チッと舌打ちしながら席に戻り、やたらと話しかけては注がれる酒を不機嫌な顔で飲んでいるとハンジの言う通りハンジ班も来て何度目になるかわからないほどの祝いの言葉をかけ、酒を飲む中モブリットはハンジの暴走を止めようとし、それをみて笑っているティアナの姿に安堵した。