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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第36章 変化※



他の人から指摘されないように違和感を押して訓練に励んでいたのにハンジさんは見過ごさなかった。
答えに詰まったティアナは蚊の鳴くような声で「女性の日なので…で、でも大丈夫です!」と言ってみたものハンジは少しだけ間をおいて「そっかー。う〜ん……その様子じゃ訓練中に怪我しちゃいそうだな。。今日のティアナは医務室で痛み止め貰って部屋で休みな。班長命令だよ。」

いつもより過保護なハンジにティアナは「了解しました…」と答えるしかなかった。

「…後で、リヴァイにも文句言っとくからさ!」

先程までの真剣さから一転からかうようにハンジは半ば笑いながら言った。

「えっ!?」

「知ってるだろ?私は観察するのが大好きでね?今日のティアナの様子やリヴァイの上機嫌さをみたら大体の事は、ね。」

まさか?!
思わず恥ずかしさで俯いてしまうとハンジが「大丈夫、大丈夫!だから顔を上げて、とにかく休もっか。明日からは通常通りの訓練に集中してもらうよ。」

さぁさぁ、とティアナの背中を押して促す。

知られてしまったかもと思うとやっぱり気恥しいが、ハンジの気遣いを有難く思い、「ありがとうございます」とお辞儀をして自室への道を歩む。

その背中を見送りつつ、ニマニマとしているハンジはリヴァイをからかってやろうと楽しみに訓練に指導を先程よりも力を入れた。


「リ〜ヴァ〜イ!」

訓練終了後、目敏くリヴァイを見つけたハンジは駆け出して肩を組もうとするがいつもの如くバシッと腕をはたき落とされ、冷たく睨まれる。

「そんな愛想悪くしなくてもいいのになぁ。」

「黙れ。近づくな。」

「あなたティアナにそんな風にしてないよね?」

「する訳ねえだろ、アホか。」

「ハハッ!ティアナのこと頼んだよ~」

「…は?」

思わず立ち止まるリヴァイを横目にグフフと不気味に笑いながらリヴァイの肩を叩いてハンジはスキップし去っていった。

残されたリヴァイは苦虫を噛み潰したような不機嫌さを隠さず、「チッ、あの奇行種野郎…」と呟きハンジに触られた肩をはたいた。

ハラハラしながら二人の様子を見ていたモブリットは「おーい!モブリットー!!」と叫ぶハンジを追いかけ、リヴァイの横を通り過ぎるときに思わず「すみません…」と頭を下げてしまった。


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