第6章 変わり者ばかりの調査兵団
ハンジの襲来があってからリヴァイは何時もより不機嫌だったが、今夜の予定は変わらない。
イザベルはすっかり懐いていて、そんなイザベルをティアナも可愛がっている。
ファーランはリヴァイの我慢が限界にきていること、あのエルヴィン達に勘づかれるのも時間の問題だと感じていた。
そろそろ本題に近づき情報を得なくては。
いつも通りティアナの歌を聞いては雑談する。
「なぁ、ティアナも俺達の噂は聞いてるだろ。地下上がりの破落戸って。」
迷ってはいたが、ティアナは頷いた。
「怖くねぇの?だってさ、エルヴィンやらハンジとか幹部達とも仲良さそうじゃん。」
「そうでもないよ。話してる内に噂なんてアテにならないって思い出したの。」
「変わってるなー。」
イザベルが分からないという顔をする。
「あのね、朝の事だけど…ハンジさんは、ちゃんと人の事を考える優しい人で…。あっ、お友達は大丈夫だった?ハンジさんの事、嫌っちゃってない?」
「大丈夫、大丈夫。アイツはいっつもあんなんだよ。」手を顔の前で振りながらファーランは次の質問をする。
「でもさ、あのエルヴィン分隊長って怖そ。ミケとか急に嗅いでくるから驚いた。」
「ミケさんのは、クセみたいなもので皆やられてるから。エルヴィン分隊長は…怖いというか……」
「よく、呼び出しされてるけどダメ出し?」
イザベルが「やっぱり性格最低だぜ!」と騒ぐ。
「違うよ、エルヴィン分隊長は……私に退団して欲しいだけ…」
悲しそうな顔で話すティアナに罪悪感を抱くが踏み込んで話を突っ込んでいく。
「何でまた。この兵団は慢性的な人手不足なんだろ?俺達スカウトするくらいにさ。」
少しだけティアナは俯く。きっと誰にも言えなかった分、誰かに聞いて欲しいのだろう。
「エルヴィン分隊長は私を信用してないから。だから万が一の事があったら兵団が困ると思ってるの。」
「ハァ??わっかんねぇよ?」
「ティアナは辞めたくないのに?」
「うん。だから呼び出しされてるだけ。」
「信用されてないって、ひでぇな。じゃ、ティアナに辞めて欲しいだけで、何にもねぇんだ?」
「そう、辞めるように言われて、辞めませんって話してるだけ。」