第33章 伝えたいこと
頬に添えた手のひらの親指でティアナの涙に触れる。
「その涙の意味はなんだ?俺の気持ちは決まってる。もし、ティアナの想いが他の奴にあっても俺は構わない。奪ってやる。」
本気なのだ。本気でリヴァイは打ち明けてる。なら。
「わた、私もリヴァ、リヴァイが好き」
その瞬間には硬い胸の内にいて、両腕は離さないと言うようにギュッギュッと強く抱き締める。
止まらない涙がリヴァイの服を濡らしていく。
はぁ。リヴァイから安堵の息が漏れる。
髪を撫ながら腰に手を回したリヴァイは優しい瞳でティアナと視線を合わせる。
「もう逃がさねえぞ。お前の過去も今も全部俺のもんだ。」
涙を拭いリヴァイはティアナの髪に何度もキスを落とす。
「ティアナ、いつまで泣いてんだ。なぁ、お前の気持ちをもう一度聞かせてくれねえか」
「好き、リヴァイが好き」
「上出来だ。」
口角を上げてリヴァイは微笑む。
顔を上げろとばかりに両頬に手を添えて二人は唇をあわせた。
啄むようなキスは角度を変えて何度も落とされる唇の感触が気持ちいい。
「そういや、ティアナの話ってのはなんだ?」
ニコリと笑顔のティアナとは対照的に瞳を揺らしリヴァイは頬を撫でながら訊ねた。
「リヴァイと同じことを伝えたかったの」
「なら良かった。ティアナ、俺は浮かれてる。ありえねえくらいに浮かれておかしくなっちまいそうだ。」
「私、まだ夢じゃないかって思ってる、きっと振られると思ってたからリヴァイから話すって言った時には凄く怖かった」
「夢にされちゃ困るんだよ。キスが足りねえか?」
甘い言葉にティアナはクラクラと目眩を覚える。
ニヒルに笑うリヴァイの目は次第に熱を帯び、繰り返されるキスが次第に長く酸素が足りなくなる。
「ん、ふっう、んん」
下唇をリヴァイの舌が撫で、ティアナが思わず口を開くと遠慮なくティアナの舌と絡め、上顎をゆっくりと味わう。
背に回した手はもどかしそうに撫で上げては強く引き寄せリップ音をたてて、離れる頃にはティアナはリヴァイに凭れて立っている状態だ。
体も心も蕩けそうなティアナにリヴァイは甘いムードを壊す一言を訊ねた。