第31章 気付いた?
俺たちの班で立体機動の細かな部品を急ぎの分だけ業者に取りに行くことになった。
定期的に業者がガスや部品は持ってくるが、どうしても足りない時もある。
そんな時は比較的手が空いてる班で受け取りに行く。
無事受け取り、街中を歩いているときだった。
「あれ、ティアナじゃないか?」
「お、本当だ。男連れか」
「外部かぁ、てっきりエルヴィン分隊長かと思ったんだがな」
「仲良さそうだな、笑ったり怒ったり忙しいな」
ティアナが知らない男と話している。
班員の言う通り表情がコロコロと変わり気を許しているのがわかる。
腹の奥から黒いモヤが浮かび上がってくる。
それと同時に苛立ちと焦りが心に刺さる。
「邪魔すんのも野暮だな」
班員の一人がそう言うと、遠回りをして兵舎に戻った。
昼間見た光景を振り切りたくても浮かんでくる。
表情筋が死んでるとハンジによく言われるが今の俺は自分でも苛立って眉間に力が入っているのがわかる。ティアナの男なのか、ティアナは男がいるのに俺と時間を共有していたのか?
今夜は会わない方がいいか?だが、俺は聞きたい。
その夜は宿舎近くにリヴァイはいなくて夕食時も食堂にいなかったので忙しいのかな?と思った。
でもいつもの場所には来るはずだから。
今夜は一人の方がいい気がしたのに、俺の足はいつも通りの小道を進んでいた。
聞いてどうする?俺の中の弱気な俺が呟く。
ティアナに男がいようが、構わねえ。
俺はティアナがここに来るのをジリジリと待つ。
リヴァイは椅子替わりの倒木に座って私の来る道を睨んでいる。
何か悪いことでもあった?
いつもよりも不機嫌そうな怒っているような睨みつけるリヴァイ。
「お待たせ。」
「ああ。」
「何か、、あった、の?」
雰囲気が違うリヴァイが私を睨みつける。こんな目で見られた事はない。
「…」
無言のリヴァイが怖い。
「なあ。こっちに寄れ」
恐る恐る、リヴァイへ近づく。
「今日は楽しかったか?」
「今日?」
「そうだ、しらばっくれんなよ。男といたろ」
クルト?
「うん、昔馴染みの友人で…」
そこからは言わせて貰えなかった。
腕を掴まれ引き寄せられた、と同時に腰に手を廻されリヴァイの整った顔が視界に広がった