第31章 気付いた?
女子宿舎では、リヴァイに振られた女の子を他の人達で慰めていた。
「ティアナさんはよくあんな人と話せますね!」
ほらね、上手くいかなかった時は矛先がこちらにも来てしまう。
リヴァイを擁護すればいいのか、慰めてあげればいいのか。
嘘でもリヴァイを悪く言いたくない。
黙っていると「リヴァイさんはきっとティアナさんが…」
周りの女の子の視線が一斉にこちらを向く。勿論、手紙を渡したのは私と知っていてだ。
居た堪れない空気にどうしたものかとどうするのが一番なのかとよく回らない頭でいると、「はーい、皆さん。ちょっとティアナは借りてくよ。」
ハンジさんが助け舟をだして連れ出そうとする。
「ティアナさんはリヴァイさんのなんですか?!」
と背中を打つ大きな感情。
「ねえ、なんでティアナに当たってるの?」
「だって、きっとティアナさんがリヴァイさんに……」
「いい加減にしないといけないよ。そもそも恋愛ってのは一人でできないものでしょ。ティアナのせいにしちゃいけない、ティアナはちゃんとあなたの願いは聞いてくれたろ。なのに、この仕打ち?文句はリヴァイに言いな。」
振り返りもせず、ハンジさんは腕を掴んで談話室から私をハンジさんの部屋へ連れ出す。
「男も女も嫉妬は怖いなあ。ティアナも今度からは橋渡しみたいなマネはやめな」
「え、ハンジさん、」
「知ってるよ。あの子に頼まれてリヴァイへの手紙を届けたのも、毎夜のように歌う為に通ってる場所があるのも、そこにリヴァイが足繁く通っているのも」
「いつから、他には誰が…」
呆然とする私を「こういうとこ、鈍いんだよね。そこがかわいいんだけど。あなたがトラブルに遭う前。というか、最初から。因みに私やナナバ、ゲルガー、ミケ、エルヴィンも知ってるよ」
指をおって数える人数は殆ど私の傍にいたりする。
更にハンジさんは追撃してくる。
「最近はリヴァイと距離を少しだけ置いてること、リヴァイはそれで不機嫌な事。見ててわかりやすいんだよな〜。お互い特別に思ってるのに気づいてないの本人達だけなんだよね。」
「リヴァイは私の歌を聞きたい、だけで」
「率直に聞こう。リヴァイは?じゃない。ティアナは?リヴァイ好きなの?」