第31章 気付いた?
エルヴィンの執務室では、ミケが珍しく愚痴をいっている。
あの後、ナナバに何故かミケは怒られ、「男ってのは女の子振る時もう少し優しくできないものかな」
「いや、皆が皆そうでは…」「もっと言い方とかさ、あるだろ!」それを俺に言われてもと3倍になって返ってくる。。
「ふ、それでナナバの機嫌が悪かったのか。しかしリヴァイは良くも悪くもリヴァイらしい振り方だな。まあ、女性を出来るだけ傷つけない言い方はあるだろうが。」
「リヴァイに告白した女性はティアナとの間を疑ってたそうだが、そこはナナバがフォローを入れたらしいから安心だ。」
「そうだな。だがティアナの周りを固めておいてくれ」
「分かった。」
「ねえー、リヴァイ、あなたの評判だだ落ちだよー。」
「知らねえよ、てめえ仕事はどうした」
「いやー、今は壁外調査の時期じゃないし?どうしてもこの冬の時期は兵団内のピンクな話しが飛び交うんだよねー。仕事より面白い時もあるじゃない?」
「悪趣味なことばかりに興味持つな」
「悪趣味とは酷いな、人間のテーマのひとつじゃんか。恋と愛ってのはさ。」
「俺には関係ないな」
「そう?一大事だと思うよ。落ち込んだり穏やかになったり声聞きたくなったり、他の人に触らせたくないとか、会いたくなって無茶したりさ。行動と心のエネルギー源じゃんか、リヴァイだってそういう感情あるだろ?」
「さあな。くだらねえ話は済んだか、俺は訓練に行かなきゃならねえ。お前と話してる暇はねえんだよ」
「え、もう自由時間じゃん。また自主練すんの?」
「お前には関係ない」
後ろで何かまだ言っているハンジを置いて早足で自室に籠る。
”会いたい” ”穏やか” ”落ち込む” ”声が聞きたい”
リヴァイは振り返る。今までこんな感情はなかった、ティアナに関わる時以外には。
以前ティアナを貶めようとした奴らに心底嫌悪を感じたのは?
会いたいと願ったのは?あいつに触れたのは?
声が聞きたい?エルヴィンの事はティアナから聞きたくない。
待て、そもそも俺とティアナとの時間を特別に
天井を見上げ、今までの自分の行動と思ったこと。ハンジの言葉が眩暈のようにグルグル回る。
俺は。間違えただけじゃない。気づいてもいなかった。
俺はティアナが…好きなんだ