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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第31章 気付いた?



「悪いな、応えられねえ。」

ショックを隠さず狼狽える女に断りを入れて屋上から兵舎に戻る為背を向けた時だった。

「ティアナさんですか?!」

は?ティアナ?顔だけ振り向く

「何言ってんだ、てめえは。」

ビクリと怯む女は、それでも戯言を続ける。

「ティアナさんにだけ優しいじゃないですかっ!好きなんじゃないですか?!」

「なんでも色恋沙汰にすんじゃねえよ」

喧しい女を睨むとヒックヒックと泣きやがる。

構わず置いていくと「待って下さい!」と言うが待つ義理もねえ。
階段の途中で睨みつけてくる女が居たが知ったこっちゃねえ。

すれ違う際に最低です!と聞こえたがウザってえ。


階段を下り、紅茶でも飲もうと食堂へ行けばミケとナナバが居る。合図を送ってくるが、無視して通り過ぎる。

「大分、ご機嫌ななめだ」

「女の匂いがした。」

「え、誰?」

「お前のところの新兵だな。」

「あーあ。明日は目を腫らした子がいる訳か。気を使うんだよね。」

嫌だヤダと顔の前で手を振るナナバにフンとミケは鼻を鳴らした。

奥の席で少し休んでいると、さっきの女を支えるように歩いている女がズンズンとやってくる。

色々、勝手を喚いて手を上げた寸前にナナバが女の手を握った。

「おっと、穏やかじゃないね。」

「ナナバさん!この人、最低で、」

「こんなとこで修羅場なんて、あの子を見世物にしたいのかな?」

返す言葉を無くしたのか、ナナバが手を離すとクルリと入口でぐずっている女の元へ戻り去っていった。

食堂にいるヤツらは一斉に目を逸らしている。

「うちの子達が騒いで悪かったね」

嫌味な笑顔で離れていくナナバはそのまま食堂から出ていった。


(チッ、厄日だ)

紅茶を飲み干して俺も食堂を後にした。


「おっ、ミケじゃん。ここ座るね」

「構わん」

「なんだか今日は賑やかというか、ザワザワしてるね。」

「ああ、リヴァイの修羅場のせいだ。」

「え、なに、何?気になる。」

一通り聞いたハンジは嘆息して言う。

「リヴァイらしいね。で、ミケ、ナナバ宥めてよ」

「俺は関係ないはずだが…」

ケラケラ笑うハンジにミケは真剣に考え込んだ。


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