第29章 暴こうとした罪の罰を知らぬ振り
まず。メモを渡す際にティアナから。と言ったら奪い取るようだった、その場で目を通したメモをきれいに畳んで胸ポケットにしまって、何も言わずに去っていった。とのこと。
この様子からリヴァイと付き合ってると二ファの中では結論に至った。。らしい。
「だって、紅茶屋さんでしょ?奪い取らなくてもいいじゃない!ティアナはどうした。って凄まれるし、あんな感じのリヴァイ初めてだったし、前、一緒に出掛けたりしてたか、ら、」
そっか、勘ぐられるには十分なのかなあ?
二ファにメモを頼んで良かった。後はなんとか誤魔化して口止め出来れば。
「よくわからないけど紅茶がすごい欲しかったんじゃないかな?それにたまたま不機嫌だったんだよ、それに出掛けたのって随分前だし街案内人よ?」
うーん。納得しそうな二ファ。もう一押し。
「それにリヴァイって案外モテるみたいじゃない?私はもちろん向こうもそんな目で見てない、見てない」
「リヴァイがモテるとかは、どうでもいいの!ティアナがむざむざ毒牙にかかるかもって心配したの!」
(大丈夫二ファ、そんなことはありえない。)
冷静に答えていくと二ファも納得してくれた。
「それとさ、二ファ、冗談でもハンジさん達には言わないでね、何倍なってくるか、考えると怖すぎる。想像だけでグッタリする。」
それはそうだと、気づいたのか二ファは誰にも言わない、とトレイを回収し約束してくれた。
安静にと言われてるのに精神的に疲れた。
やることもないし、お昼まで寝てしまおう。
あの女からメモを奪い取ったのはティアナからのメモが初めてだったからだ。同じ敷地にいてメモを渡すのは重大なことだと思った。
書いてあったのは”療養で歌いに行けない”の素っ気ない言葉で拍子抜けした。
しかし、療養とは?と思うと問い詰めずにいられなかった。
大したことではなかったようだが後で様子だけでも。と考えたが、女子寮に俺は入れない。
礼を言うのも忘れ、そのまま訓練に向かって、どうやったらいいかを考えていた。
それが、あの夜の訪問だがカーテンは閉めてない、外からは窓を開けようと思えば開けられる。不用心さに腹が立った。
とりあえず大事でないようなので、安心したといえば安心したのだが。