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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第28章 帰ってきた



その後、モブリットさんが戻るまで仕事にならず、すっかり落ち込んだハンジさんは仕事のペースも遅くなってしまった。

掃除したいけど、ここで掃除をします。なんて言おうものなら、またハンジさんが騒いで収拾がつかない。

ハンジさんの部屋には驚いたけど、ここは我慢。
モブリットさんが戻ったのは、その30分後だった。

定時は超えたけど今日の急ぎ分は何とか捌けた。
妙な達成感に溢れて食堂へ皆で行くとアーベルとケイジ、ジェンのハンジ班はテーブルについている。
私を見て喜ぶ顔に囲まれ、楽しさと懐かしさに包まれ質素な食事が美味しく感じられた。

ゲルガーさんは先に食事を済ませて行ったそうで、お酒を持ってやってくる前にお風呂へ向かった。二ファと一緒に温かいお湯に浸かって、ハンジさんの部屋でのやり取りの誤解を解き、大いに笑われた。




二ファはもっと話したがったけど、疲れてるを言い訳に(二ファごめん)部屋に戻って準備をする。
温かい飲み物はすでに用意済。厚着をして、念の為ブランケットとヴァイオリンを抱きしめて、いつもの場所へと急いで向かうと女子棟を過ぎたすぐにリヴァイが待っていた。

「女ひとりでうろちょろすんなって言ったろうが」

このやり取りも注意されてるのに嬉しい。
けど、リヴァイは不機嫌そう。敢えて聞いてみると余計に気に触ったらしく険のある視線で見てくる。
何かあったっけ?
リヴァイは根に持つタイプじゃないから、さっきの注意ではないはず。理由が思いつかないので、困っているとポンポンと頭を軽く撫でられた。






せっかくティアナがいるのになかなか話せずに夜が来て昼間のクソメガネの発言を思い出してムカついてしまった。
ティアナは困った顔をしてるが、この様子だと分かってないだろう。分かっても困るが。仕方ないので撫でてやると嬉しそうな顔でこっちを見てくる。

こいつに聞きたいことも言いたいこともあるが、それよりも、こいつの話が聞きたい。

寒さも和らいできたのに完全防備でいるティアナの顔を見ているとムカつきも収まっていった。

いつもの場所のいつもの席で、歌い始めたティアナの声を聞いて落ち着く心が不思議だった。

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